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「フィジカル強化を無視した結果…」苦戦続きのブラジルサッカー、母国有識者が「プレシーズン」が存在しない自国リーグを猛批判!

THE DIGEST編集部

2025.10.10

ブラジルサッカー界には身体作りの期間が欠けている。(C)Getty Images

 2025年はブラジルサッカーにとって、苦戦ぶりが顕著になった1年として記憶されるだろう。

 A代表は来年の北中米ワールドカップ出場権を獲得したが、8勝4分け6敗という史上最低の成績で、エクアドル、コロンビア、ウルグアイに次ぐ5位通過。首位の宿敵アルゼンチンに勝点10差をつけられた。そのアルゼンチンにはW杯予選で初めてホームで敗れ(0-1、23年11月)、アウェー戦(25年3月)も1-4で大敗と、王国にとって屈辱以外の何物でもなかった。

 現在チリで開催されているU-20W杯ではモロッコ、メキシコ、スペインと同居したグループCで、まさかの1分け2敗。グループ最下位で早々の帰国を余儀なくされた。前代未聞の大失態を演じ、激しい批判を浴びたラモン・メネゼス監督は、当然のように解任を言い渡されている。
 
 クラブレベルでは、今夏にアメリカで開催されたクラブワールドカップにパルメイラス、フラメンゴ、フルミネンセ、ボタフォゴの4チームが出場し、こちらは全チームがノックアウトステージに進出。グループステージではボタフォゴがパリ・サンジェルマンを、フラメンゴがチェルシーを、ラウンド・オブ16ではフルミネンセがインテルをそれぞれ下すなど、健闘を見せて一時は大会の主役にもなった。それでも、準決勝までに全チームが姿を消している。

 こうした状況を受けて、ブラジルサッカーの凋落ぶりを指摘する声は日増しに増え、技術レベルの低下、戦術の未熟さなどが指摘。5月にはCBF(ブラジルサッカー連盟)がクラブレベルで輝かしい実績を築き上げたイタリア人のカルロ・アンチェロッティをA代表監督に招聘し、立て直しに乗り出した。
 
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