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海外サッカー

「フィジカル強化を無視した結果…」苦戦続きのブラジルサッカー、母国有識者が「プレシーズン」が存在しない自国リーグを猛批判!

THE DIGEST編集部

2025.10.10

 このような状況では、「いざ短期決戦で、しっかりプレシーズンを経た欧州クラブと対戦すると、疲弊した我々は一方的に押し潰される。そうした事象が数十年と続いている」と指摘したノゲイラ氏は、「当然の帰結だ。基礎を固めずに高層ビルを建てようとしても、2階で崩壊するのは当たり前。フィジオロジーやスポーツトレーニングの原則を無視して、“見せ物”ばかりを優先してきた結果がこれなのだ」と、自国サッカー界の方向性を猛批判した。

 そんななか、CBFは10月に国内リーグの大幅な変更を導入。強豪クラブの負担を減らすために地方大会を縮小し、逆にカンピオナート・ブラジレイロはこれまでの3月末から12月初旬までではなく、1月から12月まで通年開催となる。W杯を考慮したアイデアだというが、これに対してノゲイラ氏は「CBFは本当にやらかしてしまった」と呆れ気味だ。

「これまで10~12日ほどあったわずかなプレシーズン期間が、クリスマスと新年の間の週末に押し込まれただけ。このカレンダーは、(競技の専門家ではなく)ブラジルで最高のマーケティング専門家が作ったのだろう。彼らは巨額の交渉の末、CBF幹部やメディアと合意したのだろう」と皮肉を込め、改めてフィジカル面の充実の重要性を強調した。
 
「サッカーは芸術であるべきだ。しかし、サッカー選手は芸術家である前にアスリートだ。アスリートには休暇が必要であり、身体を鍛える時間が必要だ。現代サッカーは、例えば欧州でプレーされているものは、90分間を超える高強度運動で成り立っている。そのためには身体の土台が必要だ。42週間で80試合という狂ったスケジュールでは、今のサッカーに必要なフィジカルを到底維持できない。プレシーズン(基礎の構築)と、シーズン中のフィジカル維持、どちらの時間も欠かせないのだ」

 最後にノゲイラ氏は、「セレソン史上最高」の呼び声高い1970年W杯の伝説的なチームを例に挙げ、「人々は忘れている。選手たちがメキシコシティでの決勝であのように飛ぶような動きを見せるまでに、どれほどの長い準備期間を積んでいたかを。ブリット、カルロス・アウベルト、クロドアウド、ジャイルジーニョ、リベリーノ、トスタン、ペレ。彼らは皆、アスリートだった」と主張した。

構成●THE DIGEST編集部

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