イングランド代表は10月9日、ウェールズ代表との親善試合を行ない、3-0の快勝を収めた。そして、14日に北中米ワールドカップ欧州予選のラトビア戦に臨む。このアウェーマッチで勝点3を積み重ねれば、他チームの結果によってはグループKの首位が確定してストレートインでの本大会出場が決まる可能性がある。
ここまで5戦全勝で13得点・0失点というパーフェクトな予選を戦っている「スリーライオンズ」。多くのタレントを揃え、近年はメジャーイベントで好成績を挙げていることもあり、来夏のW杯でも優勝候補の一角と目されるのは当然と思われるが、トーマス・トゥヘル監督はこれを否定する(英国の日刊紙『The Guardian』より)。
「ウィンブルドンで一度も優勝していない選手は、もしかしたら“有力候補のひとり”であるかもしれないが、“本命”とはならない。それが現実だ。ブラジル、アルゼンチン、スペイン、フランス……彼らは近年、優勝している」
続けて彼は、「それは、我々にチャンスがないという意味ではない。まず予選を突破して、そのうえで『なぜそこへ行くのか』を明確にすることだ。我々は頂点を目指して行くが、自分たちの立ち位置は理解していなければならない」として、現状に浮かれるべきではないと強調する。
「自分たちが『優勝候補の大本命』だなどと重荷を背負う必要はない。イングランドが最後に優勝したのはいつだ? 一歩ずつ進んでいこう。段階を踏んで成長するチームを作ることだ。そして最終的には『誰もが対戦したくないチーム』になることを目指す」
周囲からの評判の高さについて、「それは私の責任ではない。我々は『勝ちに行く』という明確な目標を持って大会に臨むが、それを達成するための方法がある。そして、もし実現しなかったとしても、人々が失望しすぎないような形があると思う」と、見解を示した。
このドイツ人指揮官はまた、リバプールのレジェンドであり、イングランド代表としても歴代4位の114キャップを記録したスティーブン・ジェラードが先日、自身の現役時代における代表チームを振り返って「我々は皆、利己的な敗者」だと評し、各選手が自身のエゴやクラブでのライバル関係を重視したことで、チームとして一枚岩となれず、「黄金世代」と呼ばれながらも目立った成績を残せなかったと自己批判を展開したことにも言及している。
「国際大会でのタイトルや失敗について語る者たちの話を聞くと、いつも同じことを言っている。『自分たちはチームだった』とか、『チームではなかった』。当時はクラブ同士のライバル意識が非常に強くて、より大きな目的や共通の目標に向けて、団結することができなかったのだろう。それは本当に『大きなチャンスを逃した』と言える」
そして現在のイングランド代表については、「我々は最も才能ある選手を集めたいわけではない。チームを作ることだ。トロフィーを勝ち取るのはチームであって、他の誰でもない。最高の選手たちと最高のチームを作るよう努力するが、時には『最も才能のある選手を全員揃えること』が最良の答えとは限らない。お互いを思いやり、支え合い、チーム内の序列を受け入れる……そういうチームこそが、長い道のりを進むことができる」と主張した。
1966年のW杯以降、タイトルから遠ざかり、近年では2018年ロシアW杯で4位、EUROでは2020年(開催は2021年)、2024年と2大会連続で準優勝と、あと一歩のところで栄光を掴み損ねた。そうしたチームに、トゥヘル監督は勝ち切る力を植え付ける作業に努めている最中だが、来夏に成果を出すための堅実かつ“謙虚”な歩みには要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】イングランドがウェールズに3発快勝!
ここまで5戦全勝で13得点・0失点というパーフェクトな予選を戦っている「スリーライオンズ」。多くのタレントを揃え、近年はメジャーイベントで好成績を挙げていることもあり、来夏のW杯でも優勝候補の一角と目されるのは当然と思われるが、トーマス・トゥヘル監督はこれを否定する(英国の日刊紙『The Guardian』より)。
「ウィンブルドンで一度も優勝していない選手は、もしかしたら“有力候補のひとり”であるかもしれないが、“本命”とはならない。それが現実だ。ブラジル、アルゼンチン、スペイン、フランス……彼らは近年、優勝している」
続けて彼は、「それは、我々にチャンスがないという意味ではない。まず予選を突破して、そのうえで『なぜそこへ行くのか』を明確にすることだ。我々は頂点を目指して行くが、自分たちの立ち位置は理解していなければならない」として、現状に浮かれるべきではないと強調する。
「自分たちが『優勝候補の大本命』だなどと重荷を背負う必要はない。イングランドが最後に優勝したのはいつだ? 一歩ずつ進んでいこう。段階を踏んで成長するチームを作ることだ。そして最終的には『誰もが対戦したくないチーム』になることを目指す」
周囲からの評判の高さについて、「それは私の責任ではない。我々は『勝ちに行く』という明確な目標を持って大会に臨むが、それを達成するための方法がある。そして、もし実現しなかったとしても、人々が失望しすぎないような形があると思う」と、見解を示した。
このドイツ人指揮官はまた、リバプールのレジェンドであり、イングランド代表としても歴代4位の114キャップを記録したスティーブン・ジェラードが先日、自身の現役時代における代表チームを振り返って「我々は皆、利己的な敗者」だと評し、各選手が自身のエゴやクラブでのライバル関係を重視したことで、チームとして一枚岩となれず、「黄金世代」と呼ばれながらも目立った成績を残せなかったと自己批判を展開したことにも言及している。
「国際大会でのタイトルや失敗について語る者たちの話を聞くと、いつも同じことを言っている。『自分たちはチームだった』とか、『チームではなかった』。当時はクラブ同士のライバル意識が非常に強くて、より大きな目的や共通の目標に向けて、団結することができなかったのだろう。それは本当に『大きなチャンスを逃した』と言える」
そして現在のイングランド代表については、「我々は最も才能ある選手を集めたいわけではない。チームを作ることだ。トロフィーを勝ち取るのはチームであって、他の誰でもない。最高の選手たちと最高のチームを作るよう努力するが、時には『最も才能のある選手を全員揃えること』が最良の答えとは限らない。お互いを思いやり、支え合い、チーム内の序列を受け入れる……そういうチームこそが、長い道のりを進むことができる」と主張した。
1966年のW杯以降、タイトルから遠ざかり、近年では2018年ロシアW杯で4位、EUROでは2020年(開催は2021年)、2024年と2大会連続で準優勝と、あと一歩のところで栄光を掴み損ねた。そうしたチームに、トゥヘル監督は勝ち切る力を植え付ける作業に努めている最中だが、来夏に成果を出すための堅実かつ“謙虚”な歩みには要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
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