かつてウインガーといえば、タッチライン際に張り、相手SBをドリブルでかわして中央へクロスを送り込むことが主な仕事だったが、1980年代にいったんはこのポジションが姿を消し、2000年代に違った形で復活。その後は、クリスチアーノ・ロナウド、アリエン・ロッベン、リオネル・メッシ、ガレス・ベイル、ネイマール、モハメド・サラーらが登場し、サイドから技術やスピードを活かして自らゴールも奪ってしまう花形ポジションとして重要視されるようになっていた。
しかし近年のプレミアリーグでは、そうした流れとは異なる潮流が生まれているようだ。スポーツ専門チャンネル『ESPN」は、過去3シーズンにイングランド・トップリーグのクラブが4000万ユーロ(約69億円)以上を支払った23人ものウインガーについて、「必ずしも得点への貢献度が高い選手ばかりではない」と指摘している。
記事では、欧州5大リーグ以外から移籍した4人を除く19人のうち、昨季にPKを除く90分当たりの得点期待値で、平均以上の攻撃力を示す目安となる「0.5」に達したのが、ブラッドリー・バルコラ、ダンゴ・ワッタラ、ノニ・マドゥエケ、イブラヒム・ムバイェ、ブレナン・ジョンソンの5人だけだったと紹介され、さらに継続的に出場していた純粋なウインガーに絞れば、「相手をドリブルで抜きながら、平均以上の攻撃的生産性を記録できたのは19人中3人」としている。
このように、プレミアリーグのクラブは得点やアシストに直結しないウインガーに大金を投じる理由として、同メディアはまず「戦術の変化」を挙げ、「近年の上位クラブでは、攻撃時にも後方に人数を残し、リスクを抑えながらボールを前進させる傾向が強まっている。その結果、相手の守備陣形が崩れる前に素早く攻め切る機会は減少する」と現在の傾向を説明した。
そしてその「解決策」は、「ボールをドリブルに優れたサイドのウインガーへ渡し、単独で守備を破壊させること」だと指摘。事実、「昨季のプレミアリーグで90分当たり1.75回以上のドリブル成功を記録したのは17人だったが、今夏に高額移籍した前述の19人のうちの14人は、移籍前のクラブでその“水準”を満たしていた」という。
続いて2つ目の原因は、「フィジカル能力へのこだわり」。ボールを持っていない時の走行量やランニングの種類、最高速度、減速能力など、選手の身体能力を細かく数値化できるようになったことで、「こうした新たなデータが、欧州各クラブのフロントで急速に重視されるようになった」とのことだが、一方で、それを基に出した結論が「どれだけ効果的なのかは示されない」とも付け加えている。
そして最後に同メディアが挙げたのが、「選手の将来性への期待」である。「プロスポーツ界には、選手が『将来、何をできるようになるのか?』を想像し、その潜在能力に魅了される傾向がある」として、「現時点で得点力が不足していても、圧倒的なスピードやドリブル能力があれば、『そこに得点力まで加われば……』という期待から、巨額の投資に繋がるというわけだ」と分析した。
ウインガーとしての役割は時代とともに変わりながらも、その重要性に変化はないとしつつ、記事は「相手をドリブルで抜けるなら、それが最善の補強であるかどうかにかかわらず、誰かがあなたと古巣に大金を払う」という一文で記事は締め括られている。
構成●THE DIGEST編集部
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しかし近年のプレミアリーグでは、そうした流れとは異なる潮流が生まれているようだ。スポーツ専門チャンネル『ESPN」は、過去3シーズンにイングランド・トップリーグのクラブが4000万ユーロ(約69億円)以上を支払った23人ものウインガーについて、「必ずしも得点への貢献度が高い選手ばかりではない」と指摘している。
記事では、欧州5大リーグ以外から移籍した4人を除く19人のうち、昨季にPKを除く90分当たりの得点期待値で、平均以上の攻撃力を示す目安となる「0.5」に達したのが、ブラッドリー・バルコラ、ダンゴ・ワッタラ、ノニ・マドゥエケ、イブラヒム・ムバイェ、ブレナン・ジョンソンの5人だけだったと紹介され、さらに継続的に出場していた純粋なウインガーに絞れば、「相手をドリブルで抜きながら、平均以上の攻撃的生産性を記録できたのは19人中3人」としている。
このように、プレミアリーグのクラブは得点やアシストに直結しないウインガーに大金を投じる理由として、同メディアはまず「戦術の変化」を挙げ、「近年の上位クラブでは、攻撃時にも後方に人数を残し、リスクを抑えながらボールを前進させる傾向が強まっている。その結果、相手の守備陣形が崩れる前に素早く攻め切る機会は減少する」と現在の傾向を説明した。
そしてその「解決策」は、「ボールをドリブルに優れたサイドのウインガーへ渡し、単独で守備を破壊させること」だと指摘。事実、「昨季のプレミアリーグで90分当たり1.75回以上のドリブル成功を記録したのは17人だったが、今夏に高額移籍した前述の19人のうちの14人は、移籍前のクラブでその“水準”を満たしていた」という。
続いて2つ目の原因は、「フィジカル能力へのこだわり」。ボールを持っていない時の走行量やランニングの種類、最高速度、減速能力など、選手の身体能力を細かく数値化できるようになったことで、「こうした新たなデータが、欧州各クラブのフロントで急速に重視されるようになった」とのことだが、一方で、それを基に出した結論が「どれだけ効果的なのかは示されない」とも付け加えている。
そして最後に同メディアが挙げたのが、「選手の将来性への期待」である。「プロスポーツ界には、選手が『将来、何をできるようになるのか?』を想像し、その潜在能力に魅了される傾向がある」として、「現時点で得点力が不足していても、圧倒的なスピードやドリブル能力があれば、『そこに得点力まで加われば……』という期待から、巨額の投資に繋がるというわけだ」と分析した。
ウインガーとしての役割は時代とともに変わりながらも、その重要性に変化はないとしつつ、記事は「相手をドリブルで抜けるなら、それが最善の補強であるかどうかにかかわらず、誰かがあなたと古巣に大金を払う」という一文で記事は締め括られている。
構成●THE DIGEST編集部
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