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海外サッカー

“代表引退”や“招集辞退”の現状「FIFA会長の政策の結果だ」仏メディア痛烈批判「価値観そのものが突然失われたというより」

THE DIGEST編集部

2026.09.26

試合数が増えるなか、代表招集を辞退する選手も。仏紙はインファンティーノFIFA会長の政策の結果と痛烈に批判した。(C)Getty Images

試合数が増えるなか、代表招集を辞退する選手も。仏紙はインファンティーノFIFA会長の政策の結果と痛烈に批判した。(C)Getty Images

 サッカー界が2026-27シーズン最初のインターナショナルマッチウィークに入っているなか、代表シーンではひとつの時代が終焉を迎えようとしている。アルゼンチン代表を長年牽引してきた世界最高のスーパースター、リオネル・メッシが現地10月6日に行なわれるベナン戦で、その栄光に満ちた代表キャリアに幕を下ろすことになっているからだ。

 今夏に行なわれた北中米ワールドカップ後にも、ネイマール、ハメス・ロドリゲス、マヌエル・ノイアー、リャド・マハレズら、一時代を築いたスターたちが相次いで母国代表チームに別れを告げており、長年にわたって国を背負ってきた選手がユニホームを脱ぐのは、世代交代という意味でも自然な流れと言えるだろう。

 しかしフランスのサッカー専門誌『SO FOOT』は、「近年では、まだ代表レベルで十分にプレーできる年齢でありながら、自ら代表キャリアを終えたり、招集を拒んだりする選手が増えてきている」と指摘。この現象について「代表への招集は、もはや選手が何も考えずに応じるような『特権』ではなく、それぞれの事情や気分によって自由に選択する『アラカルト』のようなものになっている」との見解を示している。

 その背景のひとつとして、「選手と代表監督との関係の変化」を挙げ、最も直近の事例として「今月には、モロッコ代表のソフィアン・アムラバトとスイス代表のノア・オカフォーが、それぞれモハメド・ワフビ監督、ムラト・ヤキン監督が代表指揮官の間は、代表活動から距離を置く意向を表明。後者は代表チームとの間で『信頼が壊れた』『約束が守られなかった』と主張した」とし、選手側が以前よりも自身の意思を強く主張するようになったと伝えた。

 代表チーム内での扱いに対する不満は、時に大きな亀裂を生んでおり、同メディアはキャプテンを巡るトラブルに注目。23年にベルギー代表でケビン・デ・ブライネが主将に選ばれたことにティボー・クルトワが反発したことや、25年にポーランド代表の主将を外されたロベルト・レバンドフスキのケースなどを紹介。「これまで以上に、選手の代表チーム内での立場や監督との信頼関係が、その去就に影響を及ぼすようになっている」と主張した。

 また、アフリカ諸国の代表チームで長く指揮を執ってきたクロード・ル・ロワ(現コンゴ共和国代表監督)の「選手の周囲には、自分たちが重要な存在であることを示したがる人間がますます増えている。以前は話し合いのルートが直接的だったが、今では代理人や家族を通さなければならない」という実情も紹介され、選手と代表チームの距離感の変化にも言及している。

 
 ただ、このようなケース以上に、選手を代表チームから遠ざける要因として同メディアが挙げたのが、「サッカー界全体を覆う過密日程」だ。大会の新設や拡大によって試合数が増加するなか、「代表招集よりも身体の回復を優先する選手も珍しくなくなった」という。25年夏にCONCACAFゴールドカップ出場を辞退したアメリカ代表のクリスチャン・プリシックもそのひとりだ。

 その決断に対して、マウリシオ・ポチェティーノ監督は「選手が試合を選ぶわけではない。選手たちはチームのプランに耳を傾けて、尊重しなければならない。チームに指図することはできない」と不満を露わにしたという。FIFAの規則上、選手側は原則として代表招集に応じる義務があり、それゆえに指揮官から見れば選手による「違反行為」に映るかもしれない。

 この場合、罰則も設けられているというが、同メディアは「実際には、選手が制裁を受けることはほとんどない。クラブが代表チームに対して強い立場を持つ現代では、選手自身がコンディションを理由に、特定の代表活動を回避するケースも生まれている」と説明している。

 最近では、スペインのマルコス・ジョレンテ(31歳)、チュニジアのエリス・スキリ(31歳)、チェコのパトリック・シック(30歳)、コートジボワールのセコ・フォファナ(31歳)らが「まだ何年か活躍できると思わせる年齢にもかかわらず、代表から退くことを決断した」が、記事では前出のル・ロワ氏が、その原因を現代の国際サッカーを取り巻くスケジュールにも求め、「ジャンニ・インファンティーノFIFA会長の政策の結果だ」と痛烈に批判をした。

「ル・ロワ監督は自身が率いるコンゴ共和国代表を例に、選手が9月21日にチームに合流し、23日に移動、翌24日には試合をしなければならない日程を挙げ、『こんな日程をどうして連盟が組めるのか。最初の試合をどんなコンディションで戦うことになるか想像してほしい。これも現在の国際サッカーの現実だ』と訴えている」

 これを受けて同メディアは、「代表チームを巡る価値観そのものが突然失われたというよりも、クラブと代表チームを行き来する選手に課される負担が、以前とは比較にならないほど大きくなり、そこへ監督との関係やチーム内での立場といった問題も重なっているというわけだ。制約、繰り返される移動、増え続ける試合。それも大半はそれほど重要ではない。それでは満足できない選手がますます増えている」と結論付けた。

構成●THE DIGEST編集部
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