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「VARってなんでもかんでも取り入れられると思われているが…」ルヴァン杯で初導入されたVARの課題を原博実氏が解説

サッカーダイジェストWeb編集部

2019.09.12

Jリーグ公式戦で初めて、VARのジャッジにより取り消されたゴールは、9月4日のルヴァン杯、ガンバ大阪のMF高江麗央のヘディングシュートだった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 9月12日、Jリーグは公式SNSで、Jリーグ副理事長の原博実氏が出演する情報番組「JリーグTV」の映像を公開した。

 今回テーマにあげられたのは、ルヴァンカップのプライムステージで初導入されたVAR(ビデオアシスタントレフリー)について。

 番組冒頭で原氏は、「今まででいろいろと準備をしてきて、各会場でもテストは行なっていたけど、実際に導入されたらどうなるのか」と提起し、自身も訪れたという9月4日に行なわれたルヴァンカップ準々決勝の第1戦、ガンバ大阪対FC東京の判定を取り上げた。

 試合は1-0でホームのガンバ大阪がFC東京を下したが、Jリーグ公式戦で初めて、VARジャッジによりゴールが取り消された場面があった。MF高江麗央のシュートをFC東京GKの林彰洋が弾き、こぼれ球がそのままゴールライン付近に流れた。主審と副審はいったんゴールを認めたが、VARルームからコールがあり、数分後にビデオ確認。55分に最終的にボールはゴールラインを割っていないとの判断で、得点は取り消しとなった。

「アシスタントレフェリーも間に合っていない、またゴールラインテクノロジーは入っていないので、結局カメラで見るしかない」と語る原氏。「本当はそのゴールライン上にカメラを置かなくてはいけないんだけど、この試合まだゴールラインに置いていなくて、近いところには置いてあるんだけど、その中で判断したということ」と解説。

 また中継のカメラ台数によって見れる情報量が違うのかという質問に、「そうそう、だからこの試合は普段のDAZNよりちょっと少ない。通常のDAZNなら12カメラあって、(DAZNの拡張版特別コンテンツの)サンデープライムだと20台入っていて、カメラの台数は試合によって違う。けど必要なのはゴールが入ったかどうかを確実に分かるところに置く。でもそれにはカメラ台数を増やさないといけないから予算も必要になってくる。でもこれ(VAR)を導入するからにはゴールライン上のカメラは絶対に必要だね。以前からそういう話はしていて、どっか減らしてもそこは必要だよねと言っていたんだけど。一発目にしてそれが証明された」


 また「VARってなんでもかんでも取り入れられると思われているが、適用されるシーンというのは大きく4つあって、明らかなミスをなくすために使われる」

➀得点か得点ではないか②PKかPKではないか③退場か退場ではないか④人間違い、警告や退場における人物が正しいかどうかの4点だという。