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「戦術知識が不足している」悪戦苦闘する南野拓実を現地メディアが酷評。一方で「時間を与えられるべき」の声も

THE DIGEST編集部

2020.11.30

ブライトン戦で先発起用された南野だが、インパクトを残せないまま試合終了を迎えた。(C)Getty Images

 リバプールの南野拓実は、11月28日に行なわれたプレミアリーグ第10節のブライトン戦(1-1)で、今年1月の加入以来、初めてリーグ戦での先発出場を果たした。

 公式戦では10月27日のチャンピオンズ・リーグ、ミッティラン戦(2-0)以来となるスタメン入りの一戦、しかしユルゲン・クロップ監督から与えられたポジションは、前線ではなく、インサイドハーフだった。

 案の定というべきか、慣れない役割に苦労した彼は、効果的なプレーを見せられずに90分を終えることとなった。

 現地メディアの評価は厳しく、地元紙『Liverpool Echo』の「積極性を示したのは後半になってから」はマシな方で、専門メディアの『THIS IS ANFIELD』のように「悲惨なショー。戦術的な知識が不足しているようだ。今後しばらくの間は、彼のプレーを見ることはないかもしれない」という酷評も散見した。

 一方、英国メディアの『HITC』は、南野に対するSNSでのファンの声を紹介。「南野は何もできない」「プレーのペースが一定で強さもなく、ボールも足につかない」「彼とロベルト・フィルミーノはゴースト」「間違った選手を買ってしまった」「大丈夫。彼は1月にレンタル移籍することで、リバプールに利益をもたらす」……。
 
 ただ、「南野には、大きな可能性が秘められている。時間を与え、トレーニングを積ませれば、彼はリバプールにとって大きな財産となるはず」と、25歳の日本人を擁護する投稿も。これは一般人だけでなく、著名な現地ジャーナリストにも、最終判断を下すのは速すぎると主張する人物もいる。

 英国メディア『ATHLETIC』でリバプール担当を務めるジェームズ・ピアース記者はそのひとりで、「南野には十分なプレー時間がない上に、多くの競争相手がいる場にいきなり放り込まれた。そのパフォーマンスが標準以下だったとしても、私は彼を叩くことはしない」と語っている。

「物事を正しく捉えることが必要だ」と訴える同記者は、同じくブライトン戦で厳しい評価を受けた19歳のSBネコ・ウィリアムズについても「浮き沈みを経験しながら、自分の武器を磨いている最中で、彼もまたいきなり起用された。再び、這い上がってくるだろう」と言及した。

 これを報じた英国メディア『TRANSFER TAVERN』もまた、「2人は時間を与えられるべきだ。ここまでスタメンの経験が少なく、チームメイトの怪我や日程によるローテーションなどに左右されるという状況にある。彼らは、チャンスを得るに値する選手だ。怪我人の続出している中で、クロップ監督も彼らの印象的なプレーを見れば、それを誇りに思うだろう」と綴った。

 厳しい環境の中で悪戦苦闘する南野。それをポジティブに捉える声に応えるプレーを、与えられたチャンスの中で披露できるか。

構成●THE DIGEST編集部