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海外サッカー

ELで見せ場なしの久保建英、ライバルらの先行を許してメディアから酷評「大きな失望」「なかなか目覚めない」

THE DIGEST編集部

2020.12.04

先発出場したシワススポル戦で、久保は結果を残せなかった。(C)Getty Images

先発出場したシワススポル戦で、久保は結果を残せなかった。(C)Getty Images

 12月3日(現地時間)、ヨーロッパリーグ(EL)のグループステージ第5節が行なわれ、ビジャレアルはトルコのシワススポルを1-0で下して、グループIの首位と決勝トーナメント進出を決めた。

 新型コロナウイルスの影響などで15人しか選手を揃えられなかったホームチームに対し、序盤から攻勢を維持した「イエローサブマリン」だったが、ゴールが生まれたのは76分になってから。ハウメ・コスタのクロスを、サムエル・チュクウェゼが無人のゴールに流し込んだ1点で、粘るシワススポルに引導を渡した。

 殊勲のナイジェリア人アタッカーとともに、この日、スタメンとして両翼を担った久保建英は58分でジェレミ・ピノと交代。いつもの左サイドでなく、得意とされる右サイドでプレーしたものの、シュートはゼロで、ほとんど見せ場はなく、ベンチへ退く際には表情に悔しさを滲ませていた。

 メディアの評価は一様に低く、日刊紙の『AS』は「この日本人は“控えめ”であり、ウナイ・エメリ監督によって最初に交代させられた。安定感がなく、輝けるはずのELに、わずかに参加しているだけだった」と酷評。さらに、以下のようにも綴っている。

「エメリ監督は、久保を彼が好きな右サイドに置き、“仕方がなく”左にチュクウェゼを回した。しかし、この日本人はこのチャンスを活かせなかった。違いを生み出したり、ライン間でプレーに絡むこともできなかった」

「久保がピノと交代してから、(本来の右サイドに戻った)チュクウェゼは自由になり、最高のプレーを始めた。(中略)彼はシワススポルをKOし、自信を得た。そして久保には、ポジションを奪いたいなら、もっと多くのことを、もっと熱心に、そして何よりもっと勇気を持ってやらなければならないということを思い起こさせた」
 
 日刊紙『MARCA』もまた、ナイジェリア人を引き合いに出して、2人が「コインの裏表」のように明暗を分けたとし、久保については「再びチームの大きな失望となった」「試合の中で影が薄く、より多くのプレー機会を得るチャンスを逃した」と厳しい。

 同メディアはまた、エメリ監督が全選手に均等にチャンスを与えており、久保の出場時間についても、レギュラー選手に比べれば少ないものの、これまでの合計プレー時間575分は十分な数字だと主張。久保が「チャンスを活かせていない」ことを強調した。

 他にも、地元紙『El Periodico Mediterraneo』からは「才能は疑いようがないのに、ビジャレアルではなかなか目覚めない」と評された久保。試合後、決勝トーナメント進出を喜ぶチームの集合写真に彼の姿がなかったことで、クラブのSNSには「90分間プレーできなかったので、(所有元の)マドリーに電話でもしているのか?」と書き込まれるなど、厳しい状況に置かれることとなった。

「若い選手を成長させるため、その機会を提供できた」というエメリ監督の下、チュクウェゼだけでなく、CFとして初スタメンを飾ったフェルナンド・ニーニョ、ピノら、若手選手がまずまずの評価を得たことも、真っ先に交代させられた久保を、悪い意味でさらに引き立たせることとに……。

 次戦は6日のラ・リーガ第12節エルチェ戦だが、『MARCA』の現時点でのスタメン予想では、4-3-3の前線は右からチュクウェゼ、ジェラール・モレーノ、そして久保となっている。10日のEL最終節、“消化試合”となったカラバフ戦でもまとまった時間でのプレーが望めると思われるが、ここを名誉挽回の場とできるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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