Jリーグ・国内

Jリーグにも“ナショナルダービー”が必要だ!コンサルティング大手が今後の価値向上に提言

サッカーダイジェスト編集部

2019.10.03

デロイトトーマツグループの特任上級顧問を務める、FC今治オーナーの岡田武史氏(左)と、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社スポーツビジネスシニアバイスプレジデントの里崎慎氏。手に持っているのがJMCのデータ集。(C)SOCCER DIGEST

 コンサルティング大手のデロイト トーマツ グループが集計、実施している「Jリーグマネジメントカップ(JMC)2018」が9月30日に発表された。

 Jリーグの各クラブのビジネス面などを調査したランキングでは、それに付随する様々なデータも分析している。その一つが『対戦クラブのホームタウン間の距離の分析』だ。なかでも特に注目されるのが"ダービー"の影響としてまとめられたデータ。

 サッカーには特に"ダービーマッチ"という、共通の条件を持つチーム同士の戦いがクローズアップされている。地理的に近いところにあるチーム同士の"ローカルダービー"はJリーグでも数々の試合がマッチメイクされている。

 今シーズンはFC東京と川崎フロンターレの「多摩川クラシコ」がリーグ戦での上位対決として盛り上がった。しかし、未だJリーグで根付いているとは言い難い状況だと言う。

 JMCの資料によると、「50キロ圏内の対戦であっても平均の集客率を下回る試合が散見される」また、「近接する地域でも"ダービー"としてPRしていない対戦カードも多い」という。

「一方で、ストーリーや歴史があって初めてファンを魅了するもの」で「試合そのものが白熱したものでなければプレミアム感は出てこないため、簡単に"ダービー"とすることができるわけでもないことも事実」としている。

 しかしかつては、Jリーグ開幕戦を戦った「ヴェルディ川崎×横浜マリノス」といったように、距離に関係ないいわゆる「ナショナルダービー」が存在していたこともある。日本でも野球では「巨人×阪神戦」という伝統の一戦がある。

 また、海外に目を向けてもバルセロナ×レアル・マドリー、リバプール×マンチェスター・U、ユベントス×インテル、ドルトムント×バイエルンのような地域の枠に収まらない伝統のカードが存在する。

 前述の資料によると、「Jリーグにもこのようなナショナルと呼べるクラブが誕生し、距離に左右されない"ナショナル・ダービー"が組まれることで国中が盛り上がり、海外にも注目されるようなリーグとなれば、アジアサッカーの盟主としてのJリーグの価値も大きく向上するのはないでしょうか」と今後の課題を綴っている。

構成●サッカーダイジェスト編集部