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久保建英のヘタフェ行きをビジャレアルが阻む?レンタル料の半額要求が高いハードルに

THE DIGEST編集部

2020.12.28

コロナ禍で財政難に苦しむ各クラブにとって、久保のレンタル料の捻出は容易ではないようだ。(C)Getty Images

 今、その去就が注目されている久保建英。1月にレンタル先であるビジャレアルを退団し、再び所有元であるレアル・マドリーから、ラ・リーガのいずれかのクラブに"武者修行"に出されるといわれており、人々の興味は尽きない。

 とりわけ、新たな移籍先は一番の関心事であり、現在はレアル・ソシエダ、ベティス、そしてヘタフェの名が、有力候補として挙がっている。

 その中で、ヘタフェはすでにマドリーにコンタクトをとっていると報じられており、欧州カップ戦出場権を狙いながらも現時点で中位に沈んでいる同クラブのホセ・ボルダラス監督は、攻撃において優れた組み立て役、パサー、さらにはゴールゲッターにもなれる久保を高く評価し、獲得に前向きだという。

 しかし、スペインのスポーツ紙『AS』は、このマドリードのクラブに、経済的なハードルが立ちはだかっていると伝えた。
 
 ビジャレアルは今季開幕前、久保を借り受けるために300万ユーロ(約3億7000万円)をマドリーに支払ったが、もし1月でこのレンタルが終了する場合、新たな久保の所属先に半額となる150万ユーロを請求することになるという。

 この額に加え、久保へのサラリーを捻出することは、コロナ禍で財政難に苦しむヘタフェには容易ではない(もちろん、ソシエダ、ベティスも同じ状況)。同メディアは、ヘタフェとマドリーの関係性、地理的な近さなどにより、ライバルより有利だと見ているが、マドリー自体が9100万ユーロ(約112億円)もの損失を計上する状況では、ヘタフェへの"援助"も望めそうにない。

 レンタル契約については、ビジャレアルが決定権を持っているということは、すでに広く知られており、久保が移籍を決意した際、これが重い足枷となってしまうようだ……。

 もっとも、ビジャレアルがレンタル料の半額を要求するということは、噂に上がっている「負傷したビセンテ・イボーラの穴埋めのため、EU枠外選手の久保を放出する」という動きに反するものだとも言えよう。

 地元紙『El Periodico Mediterraneo』が先日、「ビジャレアルは、マドリーとのレンタル契約の破棄に同意したり、財政的な事情で久保を放出したりするようなことはない」と報じ、久保自身も残留してポジション争いに参戦することを希望しているという噂もあるが、果たして真実はどこにあるのだろうか……。

構成●THE DIGEST編集部

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