専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

トッテナム戦も出番なし…南野拓実の“不遇”に同情を示す専門メディアが「原因は戦術理解度」と推測

THE DIGEST編集部

2021.01.29

現地メディアは「オリギよりも多くのものをチームにもたらすことができる」と南野の優位性を訴えた。(C)Getty Images

現地メディアは「オリギよりも多くのものをチームにもたらすことができる」と南野の優位性を訴えた。(C)Getty Images

 1月28日(現地時間)、プレミアリーグ第20節が行なわれ、リバプールは3-1でトッテナムを敵地で下し、6試合ぶりのリーグ戦勝利を挙げた。

 前半アディショナルタイムにロベルト・フィルミーノのゴールで先制したアウェーチームは、ここまで長く鳴りを潜めていたスピーディーでダイナミックな攻撃が復活、さらにトレント・アクレサンダー=アーノルド、サディオ・マネが追加点を奪って快勝を収めた。ストレスの溜まっていたファンにとっては、久々に胸のすく一戦となった。

 しかし、その歓喜の輪の中に、南野拓実の姿はなかった。ベンチで90分間を過ごした彼は、先発出場でリーグ初ゴールを含む好パフォーマンスを披露して大勝に貢献した14節クリスタル・パレス戦以降、ここまでリーグ戦ではわずか6分間の出場にとどまっている……。

 この“冷遇”が多くの人々に疑問を抱かせている一方で、リバプールの専門メディア『RUSH THE KOP』は、26歳の日本人が現状に至った原因を分析している。

 トッテナム戦では、モハメド・サラー、マネ、フィルミーノの「フロントスリー」が前線に勢揃いし、いずれもハイレベルなプレーで勝利に貢献。終盤にフィルミーノがお役御免でベンチに退いたが、そこで交代要員として選択されたのは、ディボック・オリギだった。
 
 今冬での移籍が噂されてきたベルギー代表FWが、南野を抑えて出場を重ねている現状について、同メディアは「序列においてオリギに先んじられるのは、このクラブのFWにとっては命取りであることを意味する。彼は、アンフィールドの余剰人員だと思われている。だとすれば、南野を一体どこに残すというのか?」と綴っている。

 そして、「南野が常に全力でピッチを走っているのを、我々は知っている。なのに、チームから完全に締め出されている現状を正しく説明できる者はいないだろう」と、同情の念も示し、さらに以下のように続ける。

「南野がポテンシャルを秘めた選手であることは明らかであり、ピッチに立てば、オリギよりも多くのものをチームにもたらすことができる。オリギは試合に影響を与えることができず、もはやスーパーサブのラベルも剥がれている」

 南野の優位性を強調する同メディアは、そんな彼が不遇を託っている原因に言及。「クロップ監督は、選手起用について詳細を語るのを好まないため、推測するしかないが」と前置きしてから、「練習での努力不足というのもあるかもしれないが、それよりも戦術的な理解不足こそが最も正解に近いのではないだろうか」とした。

「この過密日程の中で、正しい練習をこなすのは難しい。ゆえに指揮官は、少しでも長くチームに所属しており、要求通りにスピードを示せる選手を起用しているのだろう」と、記事は締められている。

 南野について戦術理解度の問題が指摘されることはしばしばあり、「ピッチ上で迷子になっている」という表現で語られることもあるが、これが改善された試合では好パフォーマンスを披露できているのも事実だ。しかし、一朝一夕で解決できるものではないだけに、しばらくは我慢を強いられることになるのだろうか……。

構成●THE DIGEST編集部

 【動画】南野拓実がプレミア初得点を挙げたクリスタルパレス戦の全ゴールハイライト

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号