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“金欠”ラ・リーガの厳しすぎる現状…冬の補強案件は5大リーグ最少、バルサ&マドリーはまさかのゼロ

THE DIGEST編集部

2021.02.02

バルセロナ、レアル・マドリーともに今冬の補強はゼロ。この事実が、ラ・リーガの厳しい現状を示している。(C)Getty Images

 コロナ禍の中で初めて迎えた冬の移籍市場は、2月1日で欧州主要国の戦力補強が締め切られた。

 日本人選手については、久保建英(ヘタフェ)、植田直通(ニーム)、香川真司(PAOK)、奥川雅也(ビーレフェルト)、南野拓実(サウサンプトン)が動き、本田圭佑(ポルティモネンセ)は欧州に復帰するなど、例年より活発だったものの、財政事情が逼迫する中、各クラブの動きは非常に鈍く、史上最も活気に乏しい「メルカート」となった。

 なかでも、スペイン「ラ・リーガ」はコロナ禍の影響を最も受けたようで、スポーツ紙『MARCA』によると、20チームによる補強案件はわずかに「29」(レンタルバックは除く)。これは前年より129件も少なく、5大リーグ(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア、フランス)で最少である。

 最も多くの選手を獲得したのはバレンシアで4人(フェロ、パトリック・クトローネ、クリスティアーノ・ピッチーニ、クリスティアン・オリバ)。これに、ヘタフェ(久保、カルレス・アレニャ、ソフィアン・チャクラ)、セルタ(アーロン・マルティン、アウグスト・ソラーリ、ファクンド・フェレイラ)が3人で続く。ここで特筆すべきは、ビッグ2のレアル・マドリーとバルセロナに補強がなかったことだ(アスレティック・ビルバオとレバンテも0人)。
 
 移籍金で見ると、総額約2100万ユーロ(約26億円)で、これは前年比で約1億2000万ユーロ(約148億円)も少なく、過去10年で最低の数字となっている。1人にかかった移籍金で最多なのは、カルロス・フェルナンデス(レアル・ソシエダ←セビージャ)の1000万ユーロ(約12億円)。ちなみに2017-18シーズン、フィリッペ・コウチーニョ獲得の際にバルセロナがリバプールに支払ったのは1億6000万ユーロ(約208億円)だ……。

 そもそも、移籍金やレンタル料金が発生したケース自体が7件と少なく、ビジャレアル退団から所有元のレアル・マドリーへ返還され、その後にヘタフェへ編入する際に125万ユーロ(約1億5000万円)が動いた久保もそのひとりである。

 昨季まで鎬を削っていたプレミアリーグ(84件で約1億5000万ユーロ)に大差をつけられたラ・リーガ。さらに5大リーグどころか、エールディビジ(オランダ)、シュペルリグ(トルコ)をも下回ったという。

 バルサはリオネル・メッシひとりに4年で5億5500万ユーロ(約680億円)を支払う契約を交わしていた一方で、現在は12億ユーロ(約1500億円)もの負債を抱えているというニュースが世界中を駆け巡ったばかりだが、今後もラ・リーガ勢の緊縮財政は続いていくのか。そして、これが欧州の勢力分布図にどのような影響を与えることになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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