海外サッカー

「幻影は全て消え去った」“退化”したヘタフェにおける久保建英の「加入効果」低下を現地メディアが一斉に指摘

THE DIGEST編集部

2021.02.09

アラベス戦、セビージャ戦と持ち味を出せなかった久保への評価は軒並み厳しい。(C)Getty Images

 今冬にビジャレアルからヘタフェに"編入"した久保建英だが、その前途には暗雲が垂れ込めているようだ……。

 新天地デビュー戦となったエルチェ戦ではいきなり得点に絡み、続くウエスカ戦でも高度なプレーを見せて連勝に貢献。ここまでは良かったが、アスレティック・ビルバオ戦で1-5の大敗を喫すると、アラベス戦ではほとんど存在感を示せず、セビージャ戦では大部分の時間帯で守備に追われ、早々に交代となった。

 カルレス・アレニャとともに救世主として迎え入れられ、マルク・ククレジャを加えたバルセロナ下部組織出身者によるテクニカルなパスワークなどを持ち込んで、フィジカルと堅実さをウリにしていたホセ・ボルダラス監督のチームに革命をもたらしたと称賛されたのも束の間、ビルバオ戦の大敗が指揮官に"原点回帰"させ、"改革"は頓挫してしまった。

 4-2-3-1から5-4-1へのシステム変更などにより、攻撃に割かれる人数も減り、「ラ・マシア」のトリオも機能しなくなった中で、久保も試合から消えてしまうこととなり、期待からは程遠い状態に陥っている。
 
 冬の補強を機に目標である欧州カップ出場圏内(6位以上)への急上昇を狙っていたのが、いまだ降格圏(18位以下)から勝点4差の13位にとどまっているヘタフェについて、スペインの各メディアが一斉に「久保とアレニャの効果は消えた」と報じた。

 マドリードのスポーツ紙『AS』は「2人の加入によって生み出された全ての幻影は、短期間で消え去った」と綴り、「得点力不足の問題は解決しておらず、守備は以前よりも脆弱になった」と指摘する。

「エルチェ戦とウエスカ戦での2人のパフォーマンスは際立っており、ボルダラス監督はチーム浮上の手段を見つけたかに思われたが、ビルバオ戦で全てがバラバラになり始めた。セビージャ戦では、久保もアレニャも良いレベルでプレーできなかった」

 バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』も同じ論調で、「『アレニャ・久保効果』は薄れ、負のスパイラルに入った」「この先の日程(9日レアル・マドリー戦、14日ソシエダ戦、19日ベティス戦、28日バレンシア戦)も非常に厳しく、この苦境から抜け出すのは簡単ではない」と、今後の見方も悲観的だ。