海外サッカー

香川真司の到来に沸くギリシャメディアが意外な人物に注目!「マエゾノ・マサキヨは大成功を収めている」

THE DIGEST編集部

2021.02.09

ギリシャメディアは、当時PAOKの入団テストを受けた前園を「PAOKにやって来たもうひとりの日本人は何をしている?」と題した記事で取り上げた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 PAOKに加入した香川真司に対し、ギリシャのメディアやファンの反応は非常に好意的であり、交代出場した2試合で披露したプレーについては、そのクオリティーの高さが称賛されている。

 小林大悟、坂田大輔、梶山陽平、福田健二、森本貴幸に続くギリシャ・サッカー界に到来した日本人だが、ドルトムント、マンチェスター・ユナイテッドに在籍し、日本代表では2度のワールドカップに出場したという実績は輝かしく、「日本のスーパースター」として期待を持って迎えられることとなった。

 PAOKの本拠地で、ギリシャ第2の都市であるテッサロニキのスポーツ紙『METRO SPORT』は、香川入団の際に日本やアジアからのPAOKやギリシャ・サッカーへの注目が高まることを予測し、チームのテクニカルな面での強化だけでなく、商業的なメリットもあることを強調。すぐに香川の名前や背番号がプリントされたユニホームがオフィシャルショップで発売されたことや、日本の市場を意識した動きが展開されることを報じていた。

 と同時に、ギリシャ・メディアも日本へ意識を向けるようになり、香川に関するニュースはもちろん、ギリシャでプレーした過去の日本人選手にスポットライトを当てる記事(サッカー専門サイト『kseperasetous』など)も見られるようになった。

 香川が出場した試合では、そのプレーに関する詳細を報じるだけでなく、日本の状況もレポートしている。『METRO SPORT』は、アポロン・スミルニ戦で「香川に対する日本の熱狂」というニュースを報道。「香川がギリシャ・スーパーリーグでデビュー戦を飾ったことが、母国のファンの注目を集めた」と綴った他、『DAZN』によって試合が放送されたこと、そのSNSに多くのファンの声が投稿されたことも伝えられた。
 
 こういった報道はPAOK専門メディア『PAOK24』や『iNPAOK』などからもなされ、アポロン戦について日本のメディアが「PAOKにリズムを与え、チームに推進力をもたらすための積極性を示した」とポジティブに報じたことが、"逆"レポートされている。

『METRO SPORT』はまた、香川の日本代表での盟友である岡崎慎司(ウエスカ)がPAOK加入決定後に香川と会話を交わしたことを伝え、「彼は常に健康を維持するためにトレーニングに最善を尽くしました。彼がギリシャに行き、PAOKでデビューしたことを嬉しく思います。彼がそこで活躍できると確信しています」というコメントを紹介した。

 PAOKといえば、1999年に当時ヴェルディ川崎所属だった前園真聖が入団テストを受けるも合格とならなかったクラブとしても知られているが、『iNPAOK』は彼の当時の回想や香川への期待を紹介している。そして、『METRO SPORT』は「マエゾノ・マサキヨ:PAOKにやって来たもうひとりの日本人は何をしている?」と題した記事で、彼にスポットライトを当て、当時の写真を添えながら以下のように説明している。

「香川の加入は、かつて栄光と誇りを持ってやって来たが、このクラブでプレーすることのなかった前園を我々に思い出させる。調べによると、彼は現在、テレビコメンテーターとしてのキャリアを築き、大成功を収めている」

 我々が香川を通してギリシャ・サッカーの様々な面に関心を持ちつつあるのと同様に、ギリシャからも今後、日本の様々な情報が発信されていくことだろう。

構成●THE DIGEST編集部