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リバプールも懸念する南野拓実の“影響力低下”…セインツ指揮官は中断期間での徹底強化を計画か

THE DIGEST編集部

2021.03.17

2試合ぶりにスタメン入りした南野だが、結果を残すことはできなかった。(C)Getty Images

 プレミアリーグ第28節でサウサンプトンはホームでブライントンと対戦し、1-2で敗れた。この試合で2試合ぶりにスタメン入りを果たした南野拓実は、期待されたゴールを挙げることはできず、65分でネイサン・レドモンドとの交代を命じられた。

 継続してプレーに絡むことができず、現地メディアからは軒並み厳しい評価を受けることになった26歳の日本人について、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督はその交代理由を明らかにしている(『Hampshire Live』より)。

「彼はボールを持った際には、そのクオリティーの高さを示しているが、ブライトン戦では試合に大きな影響を与えられなかった。そこで、彼の代わりに新しい選手を入れることを決断した」

 もっとも、これは南野だけの問題ではなく、指揮官は「チームの調子が良くないため、今は難しい状態にある」と認めている。南野が移籍市場最終日にリバプールからレンタル移籍を果たし、23節ニューカッスル戦でデビューを飾った際、彼は新しいチームメイトが失っていた自信をただひとり有しており、それがいきなりのゴールという好結果に繋がったという。

『Hampshire Live』は当時の南野が「ライン間でうまく動き、ボールを持てば相手にとって致命的な働きを見せた」と評するが、調子の上がらないチームの中で時間を過ごすことにより、彼自身も他のチームメイトと同じ状態に陥ってしまったと見ている。
 
 それでもドイツ人指揮官は、「南野がこのチームにいることを嬉しく思う。彼は我々にとって重要な2つのゴールを決めており、この先もうまくいけば、幾つもゴールを奪えるだろう」と、日本人選手への期待を失っていないことを強調する。

 サウサンプトンは20日にボーンマスとFAカップ準々決勝を戦うが、今季リバプールですでに同カップに出場している南野は、この一戦でピッチに立つことはできない。さらにその後のインターナショナルマッチウィークで、25日に韓国代表、30日にモンゴル代表と対戦する日本代表への合流が許されない場合、彼は長く実戦から遠ざかることになる。

 しかし、ハーゼンヒュットル監督にとっては好都合なようで、この中断期間で綿密な練習を行ない、南野をリーグの残試合で重要な役割を果たせる選手に作り上げることに力を注ぐという。

 南野のここ数試合の"トーンダウン"には所有元であるリバプールも気をもんでいると、地元紙『Liverpool Echo』も「南野が下落した理由」と題した記事の中で報じており、4月以降に南野が以前のような躍動する姿と決定的な仕事を披露できるかに注目している。

構成●THE DIGEST編集部

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