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海外サッカー

「コンテ・インテル」の特徴と可能性は? Jリーガー随一の海外サッカーマニア・林陵平が分析!

林陵平

2019.10.22

ルカク(左)とコンテ新監督(右)。写真:Alberto Ramos

ルカク(左)とコンテ新監督(右)。写真:Alberto Ramos

 新シーズンのインテルはかなり強力なチームになっていますね。まだCLを含めて10試合を戦った段階ですが、新監督であるコンテの〝色〞がくっきり出ています。スパレッティ前監督時代の匂いが一切しないほど。コンテが怖いからでしょうか(笑)。

 システムは3 -5 -2が基本で、オプションが3 -4 -2 -1。陣形にかかわらずトランジションが速く、攻守ともにアグレッシブなのが特長です。まさに「コンテのチーム」ですね。

 ディフェンスは即時奪回が難しい場合は、WBも最終ラインに下がって5人で守備ブロックを形成。「中を締めて外にボールを逃がす」という基本に忠実なやり方で、WBは敵のウイングやSBに厳しく当たります。それでもクロスを許したら、空中戦に強い3CB(右からゴディン、デフライ、シュクリニアル)がしっかり跳ね返す。すでにかなり統率も取れていますね。

 オフェンスはまず、ポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)からのカウンターが超強力。少ないタッチでボールを前に運び、ルカクとマルティネスの2トップが一気にフィニッシュまで持ち込みます。
 
 後方からビルドアップする遅攻では、まずアンカーのブロゾビッチを軸にボール回し。そしてWBからCFにボールを入れ、フリックやスルーなどを織り交ぜたパターン攻撃に入ります。ただ、コンテは攻撃陣の特長もしっかり考えているようで、起用している選手や相手によってパターンを微妙に変えている感じがしますね。

 この柔軟性は、ジャンルカ・コンテの功績もあるようです。コンテの2歳下の弟で、ユベントスやイタリア代表、チェルシーに続いてインテルでも兄の参謀(戦術アナリスト)を務めています。分析に基づいたハーフタイムの指示などもすごく的確らしいです。

 今夏は実績十分のルカクとゴディン、イタリアでは随一の若手と謳われるバレッラなどを獲得しましたが、ここまでの「最大の補強」はセンシでしょう。いや~驚きましたね。サッスオーロ時代から上手い選手だとは思っていましたが、インテルでここまで活躍するとは!!

 テクニックとキープ力があって、視野もすごく広い。攻守のリンクマンでありながら、崩しからフィニッシュにも効果的に絡んでいます。本人はシャビが好きらしいですが、イニエスタにも通じるプレースタイルですね。

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