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「シュンスケの半分成功できれば十分だ」古橋亨梧加入に沸くセルティックファンに、レジェンドが忍耐の必要性を説く

THE DIGEST編集部

2021.07.19

J1で得点ランクトップを走っていた古橋への現地の期待は高いようだ。(C)THE DIGEST

 ヴィッセル神戸からスコットランド1部のセルティックに加入した古橋亨梧には、早くも大きな注目が集まっている。540万ユーロ(約6億8000万円)と伝えられる移籍金の大きさや、ともにプレーするアンドレス・イニエスタからの称賛コメントの影響もあり、J1得点ランクトップを走っていたアタッカーへの期待は膨らむ一方だ。

 こうした状況に対して、かつてジェフユナイテッド市原でもプレーしたセルティックのレジェンド、リュボミール・モラフチク氏は、警鐘を鳴らしている。同氏はスコットランドメディア『The SUNDAY POST』の取材に応じ、古橋の活躍に楽観的な見方を示しつつも、それには時間が必要だと主張した。

「キョウゴは優れたテクニシャンで、素晴らしいファーストタッチとプレービジョンを持っていると聞いている。これは理論上楽しみな契約だし、実際そうだと思う。アンジェ・ポステコグルー監督は彼をよく知っており、そのことがポジティブに働くはずだ。しかし忘れてはならないのは、時間を与えることだ。最初の数週間から奇跡を彼に望むべきではない。クオリティはある、しかし忍耐が必要だ」

 また、セルティックファンの心に今も強烈な印象を残している中村俊輔(現横浜FC)と比較されることは「当然だ」としつつ、中村のインパクトを考えれば、「キョウゴがシュンスケの半分成功できれば、それで十分だ」と語り、過剰な期待をしすぎないよう促した。
 
 一方で同氏は、スコットランドでは無名ながら、高額の移籍金でセルティックに入団した自らと古橋の境遇を重ね合わせ、エールを送っている。

「キョウゴのセルティックでの幸運を祈っている。彼は際立って優れたサポーターのいる、素晴らしいクラブに入団するんだ。私はセルティックに来て何試合目かで(セルティックの宿敵である)グラスゴー・レンジャーズから2点を決めた。キョウゴは同じことを起こしたいと思っているはずだ」

 モラフチク氏は、中村の前にセルティックで25番を背負った選手で、退団後も25番がモラフチク氏の代名詞として扱われるほどの功績を残した。中村やモラフチクら偉大な先達たちの後に続いて、古橋もインパクトを残すことができるだろうか。昨季レンジャーズに無敗優勝を許したセルティックにとって、覇権奪回が至上命題となる新シーズン、まずは新しい環境への適応が待たれる。

構成●THE DIGEST編集部