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日本代表

「英国のプレッシャーに抗えず」2試合で勝点1止まりのなでしこジャパン。伯メディアの評価は攻守で対照的に

THE DIGEST編集部

2021.07.26

予選突破の可能性は残されているものの、なでしこジャパンが厳しい立場に立たされたのは間違いない。(C)Getty Images

予選突破の可能性は残されているものの、なでしこジャパンが厳しい立場に立たされたのは間違いない。(C)Getty Images

 7月24日、東京オリンピックの女子サッカー競技はグループステージ第2節が行なわれ、日本はイギリスと札幌ドームで対戦して0-1と敗北、ここまで総勝点は1止まりとなっている。

 守勢を強いられながらも、決定機は作らせずにしのいでいた「なでしこジャパン」だったが、74分に警戒していたイギリスのエース、エレン・ホワイトのヘッド弾を許してしまい失点。攻撃陣はこれを挽回できず、黒星を喫することとなった。

 イギリスは勝点を6に伸ばして早くも決勝トーナメント進出を決め、チリを下したカナダが勝点4で2位。3位の日本がグループステージを突破するには、最終節でここまで勝点なしのチリから勝利を挙げてカナダと2位の座を争うか、もしくは3つの3位チームの中の成績上位2チームに入るかのいずれかが必要となる。

 可能性は十分にあるものの、厳しい状況に置かれた日本。イギリス戦については、カナダ戦で値千金の同点弾を放ったFW岩渕真奈がベンチスタートを余儀なくされるなど、不運な面もあったものの、チームとしての攻撃のコンセプトが欠如していると多方面から指摘されており、高倉麻子監督のチーム作りや采配に対する不満の声が上がっている。一方の英国の日刊紙『Daily Mail』は、「大観衆を失った日本は、まるで野心を失ったかのようだった」と開催国をネガティブに評している。
 
 ブラジルの『Globo』は、この一戦を「なでしこジャパンはイギリスのプレッシャーに抵抗できず敗北」とレポート。カナダ戦からスタメンを5人入れ替えた日本が、イギリスにボールを保持される中で守備に徹していたものの、その守備での失敗によって失点を喫し、勝点を得られずに終わったと指摘した。

「アメリカ、オランダと並んで前評判の高いイギリスに対し、日本は4-4-2のフォーメーションを維持しながら、守備的な姿勢を取り、ほとんどの時間でそれは機能した。特に前半はバランスが取れており、イギリスにチャンスを作らせなかった」

「しかし後半になると、イギリスはペースを上げ、プレッシャーを強めた。そして74分、ルーシー・ブロンズが上げたクロスをホワイトがフリックしてネットに流し込んだ。イギリスにとっては、試合全体で唯一の確実なフィニッシュとなった、これに対し、日本は残り時間で反撃する力を持たなかった」

 このように試合を振り返った同メディアは、日本の個々の選手のパフォーマンスについて「杉田妃和は日本のベストプレーヤーであり、左での守備の仕事をうまくこなし、塩越柚歩とともに、攻撃においても効果的だった」と綴り、同じく守備で奮闘したDF清水梨紗、熊谷紗希とともに10点満点中の「6.5」のチーム最高点を与えられた。一方で「攻撃の選手は目立つことができなかった」として、いずれも「5.0」~「5.5」という厳しい数値が並んだ。

 最終節チリ戦は、開催国の終戦を決するものとなるのか、今後に向けて勢いを得る機会となるか。27日に宮城スタジアムで開催される一戦の「なでしこ」の戦いは要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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