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パナスタが騒然としたガンバ倉田秋への“頭突き”はカード対象か否か。Jリーグジャッジリプレイが導いた結論は──

サッカーダイジェストWeb編集部

2019.10.25

今季もG大阪の10番を背負う倉田。ここまでJ1で28試合に出場し、チームトップタイの7得点を挙げている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 10月19日に行なわれた、J1リーグ第29節のガンバ大阪対川崎フロンターレの一戦は、2-2の引き分けに終わった。

 このゲームでひとつ問題となったのが、65分にG大阪が2-2の同点に追いついたシーンだ。MF倉田秋が右サイドのMF小野瀬康介のクロスをヘディングで決めた際、ディフェンスに来ていた川崎のDF登里亨平と交錯。ふたりとも危険な倒れ方で会場をヒヤリとさせ、倉田は意識を失なってその場に力なく崩れた。

 警告等のカード提示はなかった。倉田はその後の検査で脳震とうに加えて、左頬骨骨折の重傷を負い、全治3~4週間の離脱を余儀なくされている。

 試合後にはSNSで「結果的に頭突きが当たったわけだから、警告は出されるべきだったのでは?」「登里選手のヘディングはアフター気味に入っていたんじゃないか?」といったファンやサポーターの意見もあり、ネット上で議論の的となっていた。

 Jリーグは、レフェリングに関する疑問やルールを説明する番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、この疑問に対して「空中戦、頭と頭の危険な接触」と題して検証した。

 10月25日にJリーグ公式HPで公開した動画では、現地で観戦したという出演者の平畠啓史氏がまず、「本当に怖かった。ゴールの喜びより、倉田選手の倒れ方が気になった。登里選手も傷つけようという意図があったようには見えないので、警告に値するかと言われるとなんとも言えない。アフターチェックだと言われると、その可能性もありそうだ」と語った。

 原博実・Jリーグ副理事長は「シュートの角度によって起こりうること、ひねってヘディングをするときに良くある」と説明し、「登里も倉田の頭に行っているわけではなく、倉田が頭を振ったから当たった。登里もボールに行っている。倉田の後頭部に行っちゃったらカードだと思うけど、今回のプレーではカード出せないと思う」との見解を示した。

 JFA(日本サッカー協会)審判委員会の上川徹氏「まったく同意です。登里選手も悪意はない。競り合うというよりはコースを切りに行っているイメージ。そんなに遅れてチェックに行っているという感じもしない。問題のシーンはインパクトはあるけど、これにカードを出しなさいというのは言えない。アクシデントに近い接触だと思う」と結論付けた。

 双方がフェアに戦った末の不幸なアクシデント。負傷した倉田の一日も早い完全復帰を祈るばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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