日本代表

久保建英の行き先は「ソシエダがより適切」と考えるマドリーに専門メディアが反論!「マジョルカこそ理想的な新天地」

THE DIGEST編集部

2021.08.08

日本の攻撃陣を牽引した久保。来季の新天地はどこになるのだろうか。(C)Getty Images

 東京オリンピックでは攻撃の核として全試合で奮闘した久保建英。代表チームでの長い戦いをようやく終えたばかりだが、クラブレベルではその去就をめぐって、大きな動きがありそうだ。

 スペイン・マドリードのスポーツ紙『MARCA』と『AS』は、20歳の日本人選手が来る新シーズン、マジョルカでプレーすることが濃厚であると伝えた。このバレアレス諸島のクラブでプレーすることになれば、レアル・マドリーからのレンタルとしてプレーした2019-20シーズン以来の古巣復帰となる。

『AS』は「東京五輪で重要な役割を担い、ゴールやアシストで素晴らしいパフォーマンスを見せたものの、EU圏外枠などによってマドリー復帰の扉が閉ざされ、再び移籍市場に戻って来た」と綴り、『MARCA』は「久保はラ・リーガでプレーし続けることを希望し、現在、2つのクラブが"入札"している。マジョルカとレアル・ソシエダだ。そして、久保が最も望んでいるのは、2シーズン前にスタメンとして24試合出場、4得点を記録したマジョルカに戻ることである」と報じた。

 しかし、後者は「マドリーは、マルティン・ウーデゴーの成功例があり、またヨーロッパリーグ出場もあることから、ソシエダの方がより適切な移籍先だと考えている」とも伝えている。また先日は、同メディア自体も、マドリーとの関係が良好であるソシエダを「最適なクラブ」と認めている。
 
 これに対し、マドリーの専門メディアである『THE REAL CHAMPS』は「東京五輪でその能力を示し、新シーズンでは理想的なレンタル先を見つける必要がある久保にとって、マジョルカこそが理想的な新天地である」と主張する。

「表面的には、マジョルカに戻ることはキャリアにおいて一歩後退することのように見えるかもしれない」「ラ・レアル(ソシエダ)のエキサイティングな攻撃陣の中で何ができるかを見てみたい」と綴る同メディアだが、それでも古巣復帰を薦める理由として、久保がクラブの"文化"に精通していること、そしてクラブが久保をスター、チームの中心選手として扱い、責任を与えるであろうという予想を挙げる。

 マジョルカではすでに実績があり、ファンからも認められているのに対し、絶対的な主人公とはならないソシエダでは、チーム状況によっては昨季(ビジャレアル、ヘタフェ)と同じことを繰り返す危険があるということだ。また同メディアは、久保にドイツのクラブからも関心が寄せられていることにも言及し、ブンデスリーガでのプレーがマドリーでの成功には繋がらないと見ている。

 前述のマドリードの2紙はいずれも、レンタルに必要な諸費用をマジョルカとソシエダが捻出できるかどうかがキーポイントであると指摘しているが、『THE REAL CHAMPS』は両クラブがマドリーの希望を満たすために計600万ユーロ(約7億8000万円)を支払う用意があると報じている。

「マドリーがリスクを嫌うなら、マジョルカに戻ることが最も健全である」と最後に同メディアは改めて主張しているが、果たしてマドリーと久保はいかなる決断を下すのか。答えは間もなく出される。

構成●THE DIGEST編集部