文字通りの歴史的な敗北だった。

　現地時間10月24日に開催されたプレミアリーグ第９節で、本拠地オールド・トラフォードに宿敵のリバプールを迎えたマンチェスター・ユナイテッドは０-５と大敗した。
【動画】ポグバは諦めている!? サラーの電光石火のカウンター弾をチェック

　直近のリーグ戦３戦未勝利と苦戦が続いていたレッドデビルズ（マンチェスター・Uの愛称）は、この試合で浮上のキッカケを掴みたいところだったが、その目論見は序盤に瓦解した。開始５分にナビ・ケイタに先制を許すと、その後もあれよあれよと失点を重ね、前半だけでなんと４ゴールも献上。

　ハーフタイム明けに、オレ・グンナー・スールシャール監督は、ポール・ポグバを投入。攻撃的なテコ入れを図ったが、結果的にその采配も裏目に出てしまう。50分に、そのフランス代表MFがボールを失ったところから電光石火のカウンターを浴び、モハメド・サラーにダメ押しの１点を奪われたのだ。

　そして60分にはポグバが痛恨の一発退場……。結局、ひとつの見せ場も作り出せぬまま、マンチェスター・Uはタイムアップの時を迎えた。
  　試合後にスールシャール監督は、「我々はどん底にいる。これ以上悪いことはない」と厳しい表情で語ったが、この敗北はクラブ史を振り返っても稀に見る惨敗だ。というのも、リバプールとの「ナショナル・ダービー」において、マンチェスター・Uが５失点以上を喫したのは、プレミアリーグでは史上初の出来事。さらにトップリーグ時代を見ても、1895年10月に１-７で負けた一戦以来の“屈辱”なのである。

　ニュートンヒースクラブと名乗っていたクラブ創設当時以来の黒星を喫したマンチェスター・U。この不調の原因は、他でもないとことん打ちのめされた守備にある。その事実は何よりも数字が物語る。

　英衛星『Sky Sports』がまとめた情報によれば、失点数は20チーム中16位の15で、クリーンシート数（1）は全体の18位。タックル数（104）と相手のシュートにつながるミスの数（８）は、それぞれ最下位なのだ。

　今夏に大型補強を敢行したマンチェスター・Uは、クリスチアーノ・ロナウドやジェイドン・サンチョといった攻撃の軸となるタレントを迎えた。しかし、現在の窮状は、その間に守備面の改善と怠っていたのではないかと思わざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部