中国スポーツ界で下された“ある決定”が小さくない話題となっている。
現地時間12月30日、中国国内のあらゆるスポーツを統治する国家体育総局は、「緊急の提案」として、サッカー代表選手たちのタトゥーを一律禁止とする決定を発表した。
【動画】世界的に声価を高めた「中国のセルヒオ・ラモス」! チャン・リンペンの気迫の守備シーン
今回の「サッカー選手の管理強化。代表チームの健全性の維持と社会的模範となるため」とされた同局の発表では、新たに彫り込むのはもちろんのこと、すでに入れている選手も代表戦でプレーする際には隠す必要があると明記。また、U-20以下の代表チームにおいては、タトゥーを入れている選手の招集は「厳しく制限される」と、いささか驚きとも言える文言が書かれている。
昨今のスポーツ界ではタトゥーに関する問題がしばしば起きている。日本でも2020年の大晦日に実施されたWBOスーパーフライ級タイトル戦で、チャンピオンの井岡一翔がタトゥーを露出した状態で試合をし、日本ボクシングコミッション(JBC)が厳重注意を下したことが、賛否両論を巻き起こした
国際的にもデリケートな話題として切り取られるタトゥー。そんななかで、来年2月に北京五輪が行なわれる中国が下した判断は、師走のトピックとなっている。英衛星『Sky Sports』は、“中国のセルヒオ・ラモス”と呼ばれるチャン・リンペンなど現代表の主力にも「タトゥーを好む選手が増えている」としたうえで、こう続けた。
「中国のサッカー代表は、使命感、責任感、名誉を高め、図抜けたプレースタイルでライバルを圧倒して、戦うことができるチームを作る狙いがあるようだ」
では、国内での反応はどうか? 中国メディア『新浪体育』は今回の決定について、「日本や韓国など多くのアジア諸国でタトゥーは文明化されていない野蛮人の証と見なされ、常に軽蔑されてきた背景がある」と分析。そのうえで「しかし、現代社会においては許容されるべきものとなっている」と訴えている。
「多くの人々が体育総局の決定が『物事を強制する悪手』と判断している。同局がこのような決断を下したのは、サッカーの代表チームの弱体化が根底にあり、明らかに深刻な状態にあると言えるだろう。ただ、世界にはメッシのようにタトゥーを入れている選手もいれば、ロナウドやレバンドフスキのように全く入れていない選手もいる。
要するに模範となれるべきかどうかは、若者たちを管理する側が、細かく指導すれば良いのである。タトゥーそのものの有無が問題なのではない。中国人選手のタトゥーを認めず、海外の選手たちものは見て見ぬふりをする体育総局のダブルスタンダードな姿勢は、問題を深刻化させている」
現時点で反発の方が目立っているタトゥー禁止令。北京五輪が間近に迫るなか、波紋は広がりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
現地時間12月30日、中国国内のあらゆるスポーツを統治する国家体育総局は、「緊急の提案」として、サッカー代表選手たちのタトゥーを一律禁止とする決定を発表した。
【動画】世界的に声価を高めた「中国のセルヒオ・ラモス」! チャン・リンペンの気迫の守備シーン
今回の「サッカー選手の管理強化。代表チームの健全性の維持と社会的模範となるため」とされた同局の発表では、新たに彫り込むのはもちろんのこと、すでに入れている選手も代表戦でプレーする際には隠す必要があると明記。また、U-20以下の代表チームにおいては、タトゥーを入れている選手の招集は「厳しく制限される」と、いささか驚きとも言える文言が書かれている。
昨今のスポーツ界ではタトゥーに関する問題がしばしば起きている。日本でも2020年の大晦日に実施されたWBOスーパーフライ級タイトル戦で、チャンピオンの井岡一翔がタトゥーを露出した状態で試合をし、日本ボクシングコミッション(JBC)が厳重注意を下したことが、賛否両論を巻き起こした
国際的にもデリケートな話題として切り取られるタトゥー。そんななかで、来年2月に北京五輪が行なわれる中国が下した判断は、師走のトピックとなっている。英衛星『Sky Sports』は、“中国のセルヒオ・ラモス”と呼ばれるチャン・リンペンなど現代表の主力にも「タトゥーを好む選手が増えている」としたうえで、こう続けた。
「中国のサッカー代表は、使命感、責任感、名誉を高め、図抜けたプレースタイルでライバルを圧倒して、戦うことができるチームを作る狙いがあるようだ」
では、国内での反応はどうか? 中国メディア『新浪体育』は今回の決定について、「日本や韓国など多くのアジア諸国でタトゥーは文明化されていない野蛮人の証と見なされ、常に軽蔑されてきた背景がある」と分析。そのうえで「しかし、現代社会においては許容されるべきものとなっている」と訴えている。
「多くの人々が体育総局の決定が『物事を強制する悪手』と判断している。同局がこのような決断を下したのは、サッカーの代表チームの弱体化が根底にあり、明らかに深刻な状態にあると言えるだろう。ただ、世界にはメッシのようにタトゥーを入れている選手もいれば、ロナウドやレバンドフスキのように全く入れていない選手もいる。
要するに模範となれるべきかどうかは、若者たちを管理する側が、細かく指導すれば良いのである。タトゥーそのものの有無が問題なのではない。中国人選手のタトゥーを認めず、海外の選手たちものは見て見ぬふりをする体育総局のダブルスタンダードな姿勢は、問題を深刻化させている」
現時点で反発の方が目立っているタトゥー禁止令。北京五輪が間近に迫るなか、波紋は広がりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部