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海外サッカー

チェルシーの厳しい状況に「ファンまでが罰せられるべきではない」との不満も。新オーナー候補は「政府の経営参画は阻止すべき」

THE DIGEST編集部

2022.03.15

クラブの先行きは見えないが、選手たちはプレーに集中するしかないだろう。(C)Getty Images

クラブの先行きは見えないが、選手たちはプレーに集中するしかないだろう。(C)Getty Images

 ロシアのウクライナ侵攻に伴い、サッカー界にも大きな影響が各所に表われてきたが、ロシア資本が多く入り込んでいるイギリス・ロンドンのクラブで、深刻な状況に陥っているのが、世界王者のチェルシーだ。

 2003年にオーナーに就任してから、巨額を投資してメガクラブの財政を支えてきたロマン・アブラモビッチ氏の資産が英国政府によって凍結され、ディレクターとしての資格も停止。そして同氏が利益を得ることを阻止するために、クラブも銀行口座やクレジットカードが一時凍結され、複数スポンサーから契約解除を通達された他、試合の一般チケットやグッズ販売(クラブショップは閉鎖)、さらには戦力補強、現所属選手との契約延長(新契約)も不可能となってしまっている。

 特別措置としてクラブ運営継続のためのライセンスは与えられるも、試合の開催や遠征にも危ぶまれる状況で、政府も救済措置に乗り出そうとしているが、先行きの見えない中で選手、スタッフ、そしてファンも不安を隠せないでおり、トーマス・トゥヘル監督は「こんな状況では、全員が信頼と信念を持ち続けることが重要だ」と訴え、キャプテンのセサール・アスピリクエタは「外で起きていることは忘れる必要がある」と、プレーに集中する姿勢を示した。
 
 ラジオ局『talkSPORT』はチェルシーの熱烈なファンの反応を紹介。その中で、ファン歴62年でジョン・ボイル、ロン・ハリス、レイ・ウィルキンスといったレジェンドとも仲が良かったという老人が、ウクライナ情勢、クラブとロシアとの関係を鑑み、「ブルーズ」との関係を絶ち、EFL2部(実質4部)のサットン・ユナイテッドに乗り換えたことを明かしている。

 一方、あるファンは「アブラモビッチとウラジーミル・プーチン・ロシア大統領との関係を考えれば、今回の件は正しい決断だった」としながらも、「それによってファンまでが罰せられるべきではない」とも主張。さらに、「それだけでなく、クラブ、そしてクラブで働いて生計を立てている人々を罰したくない」と付け加え、「選手にも影響が及んでほしくはないが、将来的にはそうなる危険性がある」と懸念し、「これらの規制がいずれ緩和され、チェルシーが元に戻ることを望んでいる」と語った。
 

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