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海外サッカー

チェルシーの厳しい状況に「ファンまでが罰せられるべきではない」との不満も。新オーナー候補は「政府の経営参画は阻止すべき」

THE DIGEST編集部

2022.03.15

 他にも同メディアは、「我々は、正しい行ないの結果に耐えなければならない」「ここからクラブや我々は、長い下り坂を辿ることになるだろう」という別のファンの声も紹介。ロシアへの抗議とそれを表わす行動の正当性を認めながら、同時にチェルシーにとっては厳しい未来が待ち受けていることを覚悟しているようだ。

 そんな中、前オーナーのロシア人からチェルシーの経営権を引き継ごうと、これまでにも国内外の多くの人物が名乗りを上げている。その中で注目を浴びているのが、2010年に前オーナーが作った多額の負債によって危機に陥ったリバプールを立て直すために、ニューイングランド・スポーツ・ベンチャーズ=NESV(現在の親会社であるフェンウェイ・スポーツ・グループ=FSGの前身)への売却を取りまとめ、現在の繁栄の基盤を築いた、同クラブの元会長マーティン・ブロートン卿である。
 
 航空会社「ブリティッシュ・エアウェイズ」の元会長で、現在、買収に向けて準備を進めているというチェルシーの大ファンとしても知られる74歳の英国人実業家は、『Sky News』のインタビューで、チェルシーからスポンサーが次々に離れている状況について「アブラモビッチによってブランドが汚されたと考えるのではなく、ウクライナの犠牲者を支援することでブランドを強化することを考えた方がいい」と提言する。

 また、「ファンとの感情的な絆を強める方法についても考える必要がある」とも主張する彼は、「何より、英国政府がクラブの経営に参画するのを阻止しなければならない。さもなければ、少なくとも5億ポンド(770億円)はあるというクラブの価値が破壊されることになる。これはつまり、戦争の犠牲者へ渡る金が5億ポンド少なくなることを意味する」とも語った。

 思わぬ形で、大きな嵐に飲み込まれてしまったチェルシーがこの先、どのような道を辿るのか。今後も注意深く見守る必要がある。

構成●THE DIGEST編集部

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