ショッキングな敗戦への影響は計り知れない。３月25日に国際Aマッチとして、およそ10年ぶりに行なわれた日韓戦は、サムライブルーが３-０と完勝した。

　前半のうちに２点のリードを奪った日本は韓国を攻守で圧倒すると、その後も一切の反撃を許さず。結局、後半にも１点を加点し、日韓戦では史上３度目の３点差による歴史的白星を挙げた。

　波紋が広がっているのは敗れた韓国だ。メディアやファンから代表チームと指揮官のパウロ・ベントに対する批判が殺到し、サッカー協会のチョン・モンギュ会長が「ファン、選手たち、失望させた人びとに深く謝罪します」と異例の“火消し”に走る事態にまで陥っている。

　この歴史的事態に韓国のレジェンド戦士も苦言を口にする。2002年の日韓W杯で母国のベスト４進出に大貢献した英雄のアン・ジョンファンは、自身が解説を務めている地元テレビ局『MBC』のなかで、「日本との試合は無条件で、何がなんでも勝たなくていけない」と思いのたけを打ち明けた。

「日韓戦で最終的には記録だけが残る。その時の状況や試合内容がどうかということはまったく残らない。言い訳はできないんだ」

【動画】森保ジャパンが歴史的快勝！ アン・ジョンファンが嘆いた日韓戦のハイライトはこちら 　現代表の不甲斐なさに不満をこぼしたアン・ジョンファンの発言を受け、韓国の専門メディア『Inetr Football』は、「アン・ジョンファンの言う通り、結局、多くの人々の記憶に残るのは０-３という“横浜の惨敗”の記録だけだ」とレポート。そのうえで、「選手たちに負けられないという闘志はあったのか」と批判した。

「アン・ジョンファンは現役時代に幾度となく韓国代表に選出され、何度も日韓戦を経験している。ゆえに今回の発言は実体験からひねり出したものだった。サッカーの試合で政治的な要素が入ることを懐疑的に見る世論もある。しかし、アン・ジョンファンの発言と比べても、現代表選手たちの戦いぶりはかなり残念なものだった」

　英雄が嘆くほどの惨敗から韓国はいかに立ち直るのか。今回の日本戦による影響はしばらく続きそうだ。

構成●THE DIGEST編集部