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中国リーグも“ブラックリスト”に…国際プロサッカー選手協会が「移籍を勧めない7か国のリーグ」を発表。各国メディアは反論、嘆き――

THE DIGEST編集部

2022.07.08

国外選手の“爆買い”で移籍市場に衝撃をもたらしていた中国スーパーリーグだが、現在は給料未払いの問題が多発しているという。[写真はイメージ](C) Getty Images

 国際プロサッカー選手協会(FIFPro)は、「組織的かつ広範囲な契約違反」があるため、移籍しないことが最善である国(リーグ)のリストを公開。そこでは、ルーマニア、トルコ、ギリシャの欧州各国の他、アルジェリア、リビア、サウジアラビアのアラブ圏、そしてアジアでは中国の名前が挙げられている。

 理由はそれぞれ異なり、ルーマニアとトルコでは、給与支払いの不履行を含む、複数のクラブによる契約違反が、長年にわたって繰り返し発生しており、ルーマニアでは破産手続きを行なうクラブの増加が選手に深刻な影響を及ぼし続けており、彼らが補償を受ける機会がほとんどない状態であるという。

 ギリシャで問題となっているのは「スーパーリーグ2」(2部リーグ)で、クラブは債務を全うすることなく頻繁に休業している。過去2年間、ギリシャは「FIFA選手保護基金」から、未払い賃金の一部をカバーしようとしている選手の数が最も多い国である。
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 アルジェリア、中国、サウジアラビアの選手にとっても、給与の不払いは繰り返し発生している問題だという。中国では多くのクラブがこの件で非難を受けており、先日は陝西長安(2部リーグ)のルーマニア人選手、ロナルド・デコヌが半年間、給与の支払いが半年も滞ったことで、クラブとの契約解除をFIFAに要請したことが報じられている。

 中国のサッカー協会は、今年12月31日までに未払い分を全て清算するよう各クラブに通達を出し、これが実行されない場合は降格、あるいは除名の対象になると発表。ちなみに、クラブの解散が相次いでいる同国だが、今年もすでに給与未払いが明らかになった重慶梁江が破産を宣言し、5月に運営を終了した。

 リビアに関しては異なる理由であり、外国人選手を雇用しているクラブが関連書類の提出を拒否しているため、国内で立ち往生する状態の選手が増加していることに懸念が抱かれているとのことだ。

 まさに、サッカー界の「ブラックリスト」入りという不名誉なレッテルであり、中国のメディアはこの現状を次のように嘆いている。
「国内サッカーの国際的なイメージの継続的な衰退は、間違いなく、現在困難な状況にある中国サッカーに新たな打撃をもたらした」(ニュースサイト『易讀』より)
「中国スーパーリーグは世界のメディアでジョークであり、『世界に発信する』という協会幹部の期待からは程遠い。名誉でなく、悪名高いのは残念だ」(『呱呱資訊』より)
 
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イタリアでもブラックリスト入りしたトルコの動きを注視