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すこぶる好調のフランス! 決勝T一番乗りの要因は“重鎮”ベンゼマの離脱!? 仏紙が舞台裏を報道「若手が委縮しない」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.11.27

ベンゼマ(右)を負傷離脱で欠いているフランス。だが、エムバペを中心とした精鋭軍団はすこぶる好調だ。(C)Getty Images

 円熟の極みにあったベテランの離脱で不安視されたレ・ブルー(フランス代表の愛称)は、カタールの地ですこぶる調子が良い。

 現地時間11月26日に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループD第2節のデンマーク代表戦で、フランス代表はキリアン・エムバペの2得点で2-1と勝利。前節に続く連勝で、早々と決勝トーナメント進出を決めた。

 史上3か国目のW杯連覇を目指す現王者だが、開幕前は不安視する声も小さくはなかった。その要因は、すでに26名の本大会メンバー入りを果たしていたカリム・ベンゼマが負傷離脱だった。左足の大腿直筋を痛めたために欠場を余儀なくされたのだ。

 21年5月に約5年ぶりの代表復帰を果たして以来、小さくない存在感を発揮していた34歳のベテランの離脱によって、得点力不足は必至か――。そんな周囲の心配をよそにチームは快調そのもの。連覇に向けて視界良好といった様子である。これが王者の連帯というものなのか。

 もっとも、ベンゼマの離脱こそが好調の理由という声もある。フランスの大手紙『Lequipe』によれば、彼がカタールを離れてからチームの練習場は明るさを取り戻し、「より自由でリラックスした雰囲気にある」とすっぱ抜いている。

 そもそもベンゼマが長く代表を追放されていた理由は、2015年にチームメイトであったマテュー・ヴァルブエナ(現オリンピアコス)への「セックステープ」による恐喝事件に関与したためだった。
 
 後にマルセイユで行なわれた裁判で執行猶予付きの懲役1年と罰金7万5000ユーロ(約980万円)の有罪判決を受けたベンゼマ。だが、いまだ彼を快く思わない選手や関係者は少なくないという。実際、以前に「フォーミュラ1とゴーカートを一緒にするな。俺の方が優れてるに決まってる」とも非難された現代表の同僚だったオリビエ・ジルーとのわだかまりは解け切っていないとも見られている。

 そんな"重鎮"の離脱による意外とも言える効果をすっぱ抜いた『Lequipe』は、ベンゼマが「仲間の誰にも見送られず」にカタールの代表合宿から離脱した直後の夜は、「チームが結成されて以来で最高の夜になった」と皮肉交じりに報道。さらに「監督の選択肢を広げ、より簡単なものにした」と説いた『Lequipe』は、こうも記している。

「ジルーはアンリの記録に並ぶことができ、攻撃の中心的役割を求めていたキリアン・エムバペが担えることになった。そしてなによりも若くて経験の浅い選手たちは、ベンゼマの強すぎる個性に委縮せずに、のびのびとプレーをしている」

 一連のレポートが事実かは定かではない。実際、ベンゼマの代理人を務めるカリム・ジャジリ氏は「彼らがアンチ・ベンゼマなのは間違いないし、恥ずべきことだ」と訴えている。

 とはいえ、だ。ベンゼマのいないレ・ブルーの戦士たちの表情は明るく、雰囲気の良さが圧倒的なプレーに表れているのは事実だ。それだけに同紙の主張は興味深いものだと言える。

構成●THE DIGEST編集部

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