上位進出が予想されたベルギーが揺れている。
現地時間11月27日に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)は、グループリーグF組の第2戦で、ベルギー代表はモロッコ代表に0-2で完敗。順位を3位に落とした“レッドデビルズ”(ベルギー代表の愛称)は、2位とは勝点1差ながらプレッシャーのかかる状況で、前回大会準優勝の古豪クロアチア代表との大一番に臨む。
もっとも、多士済々のクロアチアとのビッグゲームを前にチーム状況は最悪だと言っていい。そのキッカケを生み出したのは、絶対的司令塔の一言だった。一部のメディアでケビン・デ・ブライネが「僕らの年齢は前よりも高くなった。勝ち目はないと思う」と言い放ったのである。
この絶大な影響力を持つ名手の一言は、ベテラン戦士の逆鱗に触れた。攻守のクオリティーで劣っていたモロッコ戦後の会見で、ベルギー代表の歴代最多キャップを誇るCBヤン・ヴェルトンゲンが「今日の攻撃が酷かったのは、彼ら(攻撃陣)が年を取りすぎているからかもしれないね」と吐露。あろうことか完封されたアタッカー陣を皮肉ったのである。
案の定、チームの和は乱れた。ベルギー紙『Het Nieuwsblad』をはじめとする複数の国内メディアは、ヴェルトンゲンとデ・ブライネ、さらに攻撃の軸を担ってきたエデン・アザールが試合後のロッカールームで口論になったと報道。「ロメル・ルカクが仲裁した」とされているが、レッドデビルズが内部崩壊に近い状況にあるのは想像に難くない。
フランス紙『L'Equipe』によれば、騒動があったモロッコ戦の翌日に「負けた時の緊張というのはいかなるチームにもある。感情的になるのは論理的だ」と語っていたロベルト・マルティネス監督と、チーム内で発言権を持つベテラン選手たちが緊急会議を開催。そこで全員が「言いたいことを言い合って和解した」という。
ただ、いまだ“遺恨”は解決されていないと見る向きもある。『Het Nieuwsblad』はポッドキャスト番組内で「チームは何とか前を向こうとしている。だが、依然として一部の選手は騒動の発端となったデ・ブライネの態度が建設的ではなく、代表に無関心だと感じて不満を持っている」と報道。
さらにベルギー紙『Le Soir』は「レッドデビルズのロッカーは過去にないほど分裂してしまっている。選手同士での口論や、メディアを使って互いの足を引っ張り合っている。誰一人として他人を批判できるほど非の打ち所がないパフォーマンスは見せていない」とレポートを打っている。
短期決戦において、内部からの崩壊は何よりも避けたいものだ。はたして、ベルギーは、重圧のかかるクロアチア戦で一致団結した姿を見せられるのか。それともふたたび醜態をさらしてしまうのか。後がない精鋭たちのパフォーマンスに世界が熱視線を向けている。
構成●THE DIGEST編集部
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もっとも、多士済々のクロアチアとのビッグゲームを前にチーム状況は最悪だと言っていい。そのキッカケを生み出したのは、絶対的司令塔の一言だった。一部のメディアでケビン・デ・ブライネが「僕らの年齢は前よりも高くなった。勝ち目はないと思う」と言い放ったのである。
この絶大な影響力を持つ名手の一言は、ベテラン戦士の逆鱗に触れた。攻守のクオリティーで劣っていたモロッコ戦後の会見で、ベルギー代表の歴代最多キャップを誇るCBヤン・ヴェルトンゲンが「今日の攻撃が酷かったのは、彼ら(攻撃陣)が年を取りすぎているからかもしれないね」と吐露。あろうことか完封されたアタッカー陣を皮肉ったのである。
案の定、チームの和は乱れた。ベルギー紙『Het Nieuwsblad』をはじめとする複数の国内メディアは、ヴェルトンゲンとデ・ブライネ、さらに攻撃の軸を担ってきたエデン・アザールが試合後のロッカールームで口論になったと報道。「ロメル・ルカクが仲裁した」とされているが、レッドデビルズが内部崩壊に近い状況にあるのは想像に難くない。
フランス紙『L'Equipe』によれば、騒動があったモロッコ戦の翌日に「負けた時の緊張というのはいかなるチームにもある。感情的になるのは論理的だ」と語っていたロベルト・マルティネス監督と、チーム内で発言権を持つベテラン選手たちが緊急会議を開催。そこで全員が「言いたいことを言い合って和解した」という。
ただ、いまだ“遺恨”は解決されていないと見る向きもある。『Het Nieuwsblad』はポッドキャスト番組内で「チームは何とか前を向こうとしている。だが、依然として一部の選手は騒動の発端となったデ・ブライネの態度が建設的ではなく、代表に無関心だと感じて不満を持っている」と報道。
さらにベルギー紙『Le Soir』は「レッドデビルズのロッカーは過去にないほど分裂してしまっている。選手同士での口論や、メディアを使って互いの足を引っ張り合っている。誰一人として他人を批判できるほど非の打ち所がないパフォーマンスは見せていない」とレポートを打っている。
短期決戦において、内部からの崩壊は何よりも避けたいものだ。はたして、ベルギーは、重圧のかかるクロアチア戦で一致団結した姿を見せられるのか。それともふたたび醜態をさらしてしまうのか。後がない精鋭たちのパフォーマンスに世界が熱視線を向けている。
構成●THE DIGEST編集部
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