現地12月5日、カタール・ワールドカップ(W杯)は決勝トーナメント1回戦が行なわれ、日本代表はクロアチア代表に、韓国代表はブラジル代表に敗れた。ともにベスト8進出が叶わなかった東アジアの雄は、悔し涙を流しカタールを去る。
ベスト16止まりだったとはいえ、今大会の両国の躍進は目を見張るものがある。日本はグループステージでW杯優勝国のドイツとスペインを叩き、"死の組"と呼ばれたグループを首位通過する大番狂わせを演じ、世界を驚かせた。
一方の韓国は、勝たなければグループステージを突破できない状況だったなか、強豪ポルトガルを相手にひるまず好勝負を演じ、試合終了間際に劇的な決勝ゴールを奪取。当該チームのウルグアイが引き分け、総得点の差で決勝トーナメントに進出を決めた。韓国国内ではドラマティックな展開に「ドーハの奇跡」と呼ばれ、歓喜に沸いた。
海外メディアも、アジア勢をけん引する両国のポテンシャルの高さに熱い視線を注いでいる。米スポーツ専門局『ESPN』のガブリエル・タン記者は現地5日、ブラジルに屈した韓国に向け、「紙の上では惨めな夜に見えるかもしれない。だが、対戦相手が過去5回の優勝を誇るブラジルだ。そのブラジルが力を十分に発揮したとなれば、韓国がカタールを去るのは、それほど悪いことではない」と援護する。
そして同記者は「この2週間ほどの韓国代表の活躍を振り返ると、喜ぶべきことはまだある。ウルグアイに引き分け、ポルトガルに勝利してのグループステージ突破は、ガーナに敗れたことで若干の輝きを失ったとはいえ、立派な記録である」と述べる。
さらに、「ソン・フンミンが韓国のスター選手であることは周知の事実だ。彼が絶好調であったなら、もっと上のレベルに行けたかもしれない。ソンは11月初旬に顔面を骨折し、フェイスガードをつけながら、チームに大きな影響力を発揮したことだけでも評価に値する」と、昨季プレミアリーグ得点王に輝いたエースストライカーを称えた。
タン記者は他にも、「ソン・フンミンだけではない」注目に値する選手として、ギリシャのオリンピアコスで定位置を確保した26歳の司令塔を挙げた。
「ファン・インボムは自信とエネルギッシュなプレーで、今後10年間は韓国の中盤に君臨するような存在になりうる」
また、開催国カタールの衛星テレビ局『Aljazeera』は、「日本がクロアチアにPK戦で敗れたのに続いて、ブラジルが韓国に4-1で勝利したことで、カタールW杯でのアジアの希望は打ち砕かれた」と伝え、決勝トーナメントに進出したアジア3チーム(日本、韓国、オーストラリア)が全て敗退したことをレポートした。
同局は「日本と韓国は誇りに思うべきことがたくさんある。とくにグループステージで欧州の強豪ドイツとスペインに勝利した日本の衝撃的な番狂わせと、韓国がポルトガル相手に見事な勝利を挙げたことだ。東アジアサッカーの巨人たちが準々決勝に進出できなかったが、両国は勇敢な戦いを遂げ大会を終了した」と日韓が今大会で巻き起こしたジャイアントキリングを回顧し、アジアサッカーの躍進を強調した。
20年ぶりに8強進出を逃した韓国の地元メディア『聯合通信』は、代表チームがW杯の決勝トーナメントに進出したとき、ありえない道のりだとして、「記憶に残る弱者物語」と表現した。決勝トーナメントでは、「韓国代表は懸命に戦ったが、世界ランキング1位のブラジルの壁は厚かった」と、カナリア軍団の圧倒的な強さに脱帽した。
ベスト16の成績以上に、W杯の歴史に確かに刻まれた日韓の軌跡。両国が成し遂げた偉業は、サッカー強豪国と言われてきた欧州や南米勢の「アジア軽視」の意識を変えるキッカケになるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】敵将がゴールパフォに参加する「屈辱」も。ブラジルに"歴史的大敗"を喫した韓国に母国紙は嘆き「次元が違った」【W杯】
【関連記事】なぜ得点パフォを"連発"したのか? 止まぬ非難にブラジル指揮官は釈明「韓国を馬鹿にしたつもりはない」「理解してほしい」【W杯】
【関連記事】「本当に残念だ」森保ジャパンのベスト16敗退に英記者悲嘆!一方でPK勝利したクロアチアを「見ていて退屈」と皮肉も【W杯】
ベスト16止まりだったとはいえ、今大会の両国の躍進は目を見張るものがある。日本はグループステージでW杯優勝国のドイツとスペインを叩き、"死の組"と呼ばれたグループを首位通過する大番狂わせを演じ、世界を驚かせた。
一方の韓国は、勝たなければグループステージを突破できない状況だったなか、強豪ポルトガルを相手にひるまず好勝負を演じ、試合終了間際に劇的な決勝ゴールを奪取。当該チームのウルグアイが引き分け、総得点の差で決勝トーナメントに進出を決めた。韓国国内ではドラマティックな展開に「ドーハの奇跡」と呼ばれ、歓喜に沸いた。
海外メディアも、アジア勢をけん引する両国のポテンシャルの高さに熱い視線を注いでいる。米スポーツ専門局『ESPN』のガブリエル・タン記者は現地5日、ブラジルに屈した韓国に向け、「紙の上では惨めな夜に見えるかもしれない。だが、対戦相手が過去5回の優勝を誇るブラジルだ。そのブラジルが力を十分に発揮したとなれば、韓国がカタールを去るのは、それほど悪いことではない」と援護する。
そして同記者は「この2週間ほどの韓国代表の活躍を振り返ると、喜ぶべきことはまだある。ウルグアイに引き分け、ポルトガルに勝利してのグループステージ突破は、ガーナに敗れたことで若干の輝きを失ったとはいえ、立派な記録である」と述べる。
さらに、「ソン・フンミンが韓国のスター選手であることは周知の事実だ。彼が絶好調であったなら、もっと上のレベルに行けたかもしれない。ソンは11月初旬に顔面を骨折し、フェイスガードをつけながら、チームに大きな影響力を発揮したことだけでも評価に値する」と、昨季プレミアリーグ得点王に輝いたエースストライカーを称えた。
タン記者は他にも、「ソン・フンミンだけではない」注目に値する選手として、ギリシャのオリンピアコスで定位置を確保した26歳の司令塔を挙げた。
「ファン・インボムは自信とエネルギッシュなプレーで、今後10年間は韓国の中盤に君臨するような存在になりうる」
また、開催国カタールの衛星テレビ局『Aljazeera』は、「日本がクロアチアにPK戦で敗れたのに続いて、ブラジルが韓国に4-1で勝利したことで、カタールW杯でのアジアの希望は打ち砕かれた」と伝え、決勝トーナメントに進出したアジア3チーム(日本、韓国、オーストラリア)が全て敗退したことをレポートした。
同局は「日本と韓国は誇りに思うべきことがたくさんある。とくにグループステージで欧州の強豪ドイツとスペインに勝利した日本の衝撃的な番狂わせと、韓国がポルトガル相手に見事な勝利を挙げたことだ。東アジアサッカーの巨人たちが準々決勝に進出できなかったが、両国は勇敢な戦いを遂げ大会を終了した」と日韓が今大会で巻き起こしたジャイアントキリングを回顧し、アジアサッカーの躍進を強調した。
20年ぶりに8強進出を逃した韓国の地元メディア『聯合通信』は、代表チームがW杯の決勝トーナメントに進出したとき、ありえない道のりだとして、「記憶に残る弱者物語」と表現した。決勝トーナメントでは、「韓国代表は懸命に戦ったが、世界ランキング1位のブラジルの壁は厚かった」と、カナリア軍団の圧倒的な強さに脱帽した。
ベスト16の成績以上に、W杯の歴史に確かに刻まれた日韓の軌跡。両国が成し遂げた偉業は、サッカー強豪国と言われてきた欧州や南米勢の「アジア軽視」の意識を変えるキッカケになるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】敵将がゴールパフォに参加する「屈辱」も。ブラジルに"歴史的大敗"を喫した韓国に母国紙は嘆き「次元が違った」【W杯】
【関連記事】なぜ得点パフォを"連発"したのか? 止まぬ非難にブラジル指揮官は釈明「韓国を馬鹿にしたつもりはない」「理解してほしい」【W杯】
【関連記事】「本当に残念だ」森保ジャパンのベスト16敗退に英記者悲嘆!一方でPK勝利したクロアチアを「見ていて退屈」と皮肉も【W杯】