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日本代表

南米2強の明暗を分けたPK戦での「10番の扱い」。元英代表FWがネイマールに“蹴らせなかった”ブラジルに苦言【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.11

PK戦で明暗が分かれたメッシ(左)とネイマール(右)。この両雄のPK戦における扱いの違いは結果的にチームの命運を変えてしまった。(C)Getty Images

PK戦で明暗が分かれたメッシ(左)とネイマール(右)。この両雄のPK戦における扱いの違いは結果的にチームの命運を変えてしまった。(C)Getty Images

 現地時間12月9日に行なわれたカタール・ワールドカップの準々決勝は、PK戦で南米勢の明暗が分かれる形となった。

 快哉を叫んだのはアルゼンチンだった。精鋭揃いのオランダと対峙した彼らは2点のリードを追いつかれるも、PK戦では守護神のエミリアーノ・マルティネスが相手のシュート2本を食い止めるビッグセーブを披露。見事に2大会ぶりの4強進出を決めた。

 一方で涙にくれたのは、ブラジルだ。こちらは日本代表との激闘を勝ち上がってきたクロアチアと対峙し、延長前半のアディショナルタイム1分にネイマールのゴラッソで先制するも、117分にブルーノ・ペトコビッチに決められて同点に。そして迎えたPK戦では、サムライブルーの前にも立ちはだかった相手守護神ドミニク・リバコビッチにロドリゴのシュートが食い止められるなど2本を失敗。20年ぶりの世界制覇を逃した。

 この南米が誇る2大大国の結果は、各国メディアでもさまざまな議論がなされた。そのなかで興味深い持論を提示したのは、英公共放送『BBC』の解説を務めた元イングランド代表FWアラン・シアラーだ。サッカー界の酸いも甘いも熟知するレジェンドは、両国の結果を分けたのが、PK戦における「10番の扱いだ」と指摘した。
 
 たしかに違いはあった。アルゼンチンは、この試合でもPKを決め、最も信頼を置いているリオネル・メッシを1番手に抜擢。一方でブラジルはネイマールを5番手で起用するはずが、順番が巡ってこなかったのである。

 結果論とも言えなくもない。だが、シアラーは緊張感のあるPK戦において「最初に最高の選手が蹴らないとダメなんだ」と絶大なカリスマ性を誇るスターが先陣を切る重要性を力説した。

「PK戦はマインドゲームなんだ。この準々決勝の2試合を決めたPK戦のカギは、間違いなく最初に最高のキッカーを蹴らせなかったことにある。そうすると、後に蹴る選手たちに自信を与え、主導権が握れるんだ。ロドリゴが最初にシュートして外した後のブラジルと、メッシが最初のPKを決めて落ち着きを取り戻したアルゼンチンの様子の違いを見ただろう。とくにブラジルは国全体が代表に期待を懸けている。そういうことを考えてもネイマールに蹴らせるべきだったんだ」

 ワールドカップほどの大舞台においては、ちょっとした決断が勝負を左右する。ゆえに百戦錬磨の伝説的な点取り屋による分析は、的を射ていると言えるのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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