約１か月に渡って熱戦が繰り広げられたカタール・ワールドカップ（W杯）も、いよいよ３位決定戦と決勝戦を残すのみとなった。激闘を勝ち抜け、今大会のファイナリストとなったのは、フランス代表とアルゼンチン代表だ。

　史上３か国目であり、60年ぶりのW杯連覇の偉業に挑むフランスと、36年ぶり3度目の世界制覇に挑むアルゼンチン。両国のどちらの優勝を予想するかは識者やサッカー界のレジェンドの間でもさまざまな意見が交わされているのだが、「ある理由」から前者の戴冠を予想する名手がいる。元ブラジル代表GKのジュリオ・セザールだ。

　現地時間12月15日に行なわれた各国レジェンド同士によるイベント『FIFA Legends Cup』に参加したセザールは、ブラジル・メディア『Globo』などの取材に対して「僕はメッシが大好きだよ。彼は信じられない存在だし、彼のプレーを見るのは幸せだ」と回答。アルゼンチンの偉才を称えたうえで、次のように持論を展開した。
  「当たり前だけど、僕はブラジル人としてフランスを応援するよ。メッシはたしかに素晴らしいけど、アルゼンチンと僕らブラジルには良いライバル関係があるからね。もしも、ブラジルが決勝に行っていたら、アルゼンチン人はフランスを応援すると思うよ。だから、僕は偽善者になるつもりなんてないよ」

　現役時代にセレソンの守護神として87もの代表キャップを築き上げた名手セザールは、「ブラジル人ではないサッカーの愛好家たちが、メッシが培ったキャリアとサッカー史のために、決勝に勝つことを強く求めているのは感じるし、そういう思いも理解できる」と吐露。それでもなお、ブラジル人としてアルゼンチン人の喜ぶ姿は見たくないという“本音”は、抑えられなかったようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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