リオネル・メッシが、悲願のタイトルをついに手にした。

　現地時間12月18日、アルゼンチン代表はカタール・ワールドカップの決勝でフランス代表と対戦。３-３で迎えたPK戦の末に激闘を制し、あのディエゴ・マラドーナを要した1986年のメキシコ大会以来３度目の世界制覇を達成した。

　待望の先制点をもたらしたのは、他でもないエースだった。23分にアンヘル・ディ・マリアが獲得したPKをメッシが危なげなく決めたのだ。これで勢いに乗ったアルゼンチンは36分に、その10番を起点としたカウンターからディ・マリアが追加点をゲット。防戦一方のフランスを突き放していった。

　迎えた後半に80分と81分に相手エースのキリアン・エムバペに立て続けに決められ、振出しに戻った試合だったが、ドラマは終わらない。

　しかし、延長前半109分に速攻からメッシが勝ち越し弾をねじ込むと、118分にはエムバペがふたたびPKでゴールを決めて、同点としたのだ。
  　まさにシーソーゲームとなった一戦は、PK戦に突入。アルゼンチンが全員が決めたのに対し、フランスが２人が失敗。これによってアルビセレステ（アルゼンチン代表の愛称）に勝利の女神が微笑んだ。

　決勝の２日前に「次の大会までは何年もある。それまでできるとは思わない。これが本当に最後だ」と今大会終了後の代表引退を明言していたメッシ。そんななかで自身に「唯一足りない」とされたワールドカップを手にし、有終の美を飾った。

　36年ぶりの快挙を成し遂げたアルビセレステの精鋭たちには、母国メディアも歓喜に沸いている。スポーツ専門局『Tyc Sports』は「世界一だ！」と絶賛。さらに日刊紙『Ole』は「多くの犠牲と苦しみがあった。それでも我々は報われた。壮絶な決勝戦の末にメッシがついにワールドカップを手にする」と興奮気味に悲願の優勝をレポートしている。

　国内で"神"と称されてきたマラドーナがやってのけて以来のワールドカップを手にしたアルゼンチン。その英雄と幾度となく比較されてきたメッシだけに、この戴冠劇によって彼もまた"神"として語り継がれていくことになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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