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海外サッカー

3位決定戦は「ナンセンスな戦い」? 英メディアが“大きな失望後”の試合に疑問符「世界で最もメジャーで、無意味」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.19

モロッコとクロアチアのハイレベルな3位決定戦は白熱したが、互いに決勝進出を逃したなかでの試合だけに、その意味が問われている。(C)Getty Images

モロッコとクロアチアのハイレベルな3位決定戦は白熱したが、互いに決勝進出を逃したなかでの試合だけに、その意味が問われている。(C)Getty Images

 現地時間12月17日に行なわれたカタール・ワールドカップの3位決定戦は、クロアチア代表とモロッコ代表の間で熱戦が展開。激闘の末に前者が初出場となった1998年フランス大会以来の3位入賞を飾り、後者はアフリカ勢、アラブ勢として最高成績となる順位を手にした。

 準決勝の布陣と比べると、両チームともにスタメン5人を入れ替えており、またクロアチアは中盤を厚くし、モロッコは3バックではなく4バックを採用と、いずれもこれまでよりも攻撃的な意識を持って最後の一戦に臨んだ。

 だが、前回準優勝国のクロアチアは試合終了後にベンチから控え選手らがピッチに飛び出して喜びを表わし、モロッコは選手やワリド・レグラギ監督が主審に詰め寄るなど、両国がこの試合に懸けていた意気込みの強さを感じさせたものである。

 試合前にズラトコ・ダリッチ監督は「残酷な試合」と3位決定戦を表現し、レグラギ監督も「プレーするのに最悪の試合」と語っていた。銅メダルの行方が懸かったオリンピックならまだしも、決勝進出を阻まれて失意の底にあるなかで、大会の3、4位を決する試合に何の意味があるのか、というこのラウンドの存在意義を問う声は古くから多く、常に議論の的となってきた。
 
 一方で、プレッシャーから解放されて伸び伸びとプレーすることで、それぞれの良さを存分に出した結果、見る者を魅了することもしばしばある。

 1990年イタリア大会は、守備的な姿勢の波がサッカー界に押し寄せた時代であり、スペクタクルに欠けた大会と酷評された。しかし、地元イタリアとイングランドによる3位決定戦は好内容のものとなり、試合後には両チームが一緒になって表彰台でウェーブ、ピッチを一周するなど、友好的なエンディングもあり、見る者を大いに満足させている。

 英国のサッカー専門サイト『Football365』も、今回の3位決定戦を「非常に楽しかった」と評価。ただ、同メディアのスタンスは「世界で最もメジャーなイベントも、最も無意味な試合」というものであり、「それでもプレーしなければならないのであれば、両チームが(運営側への)軽蔑の意味を込めて、それを“ただ楽しむ”ことだ」と主張。守備的なスタイルで勝ち上がってきた彼らが攻撃により重きを置いた姿勢を称賛したが、「ブレントフォードのアウェーマッチよりは間違いなく楽しかった」と皮肉も忘れていない。
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