サッカー界にレガシーを残した“英雄”がこの世を去って７日が経過した。いまだ多くの人々が、その死を嘆き、悲しむなかで、FIFA（国際サッカー連盟）のトップが放った発言が物議を醸している。

　現地時間１月２日にブラジルでは先月29日に他界した元ブラジル代表FWのペレ氏の古巣サントスの本拠地で葬儀が行なわれ、サッカー界の多くの著名人が参列。その中には、FIFAを取り仕切るジャンニ・インファンティーノ会長の姿もあった。

　サッカー界が誇る“王様”との別れを告げる式の後、現地メディアの取材に応じたインファンティーノ会長は、「彼の残したものは言い表すことができない。彼の家族と友人、彼を愛したすべてのサッカーファンに、心からの哀悼の意を表したい」とコメントしたうえで、独自のアイデアを口にしたのである。

「私はこれから世界のすべての国に対して、サッカースタジアムのひとつにペレ氏の名前をつけるよう要請するつもりだ」
  　インファンティーノ会長にとっては、ペレ氏を想っての提案だったのかもしれない。だが、全世界を対象とするにはあまりに性急な見切り発車感が否めず、短絡的と言えなくもない。ゆえに各国メディアでは批判的な声が上がった。

　英紙『Mirror』は「インファンティーノによる奇怪な要求だ。この提案は非現実的すぎるがために、多くの批判を浴びている」と糾弾した。

　ペレ氏の功績を世界的に称えるべくアイデアを出したインファンティーノ会長。しかし、「ペレ」の名をスタジアムに冠すよう要請した世界211のサッカー協会への呼びかけは、現時点では具体的なものではなく、あまりに稚拙な意見だと言わざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部

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