去る1月7日、フランス・サッカー連盟(FFF)は2012年7月からレ・ブルー(フランス代表の愛称)を率いてきたディディエ・デシャン監督と、新たに2026年まで契約を延長すると発表した。これにより元代表キャプテンは就任期間の最長記録をさらに更新する。
選手として1998年のフランス・ワールドカップ(W杯)とベルギーとオランダの共催となった2000年のEUROの両方を制したデシャンは、監督としても世界一のタイトル(2018年)を獲得。先のカタールW杯でも優勝こそ逃したが、史上3か国目の連覇にあと一歩と迫る準優勝と好成績を収めていた。ゆえに全うすれば14年間という異例の長期政権となる契約延長は、FFFからの絶大な信頼の証と言えよう。
無論、FFFの“御大”も54歳の指揮官への惜しみない賛辞を贈る。ノエル・ル・グラエ会長は日刊紙『Le Figaro』に対し、「彼が仕事を続ける限り、違う誰かのドアをノックする必要はない」と主張していた。
そうしたなかで、他でもないル・グラエ会長の辛辣な一言が波紋を呼んでいる。フランスの衛星放送『RMC Sport』の取材に応じた際に、デシャンの後任候補の一角と目されていたジネディーヌ・ジダンについて問われ、「ジダンが私と連絡を取ろうとしていたことなどないし、そうだとしても、私が受話器を取ることはなかっただろう。我々は、デシャンと別れることを考えたことなどない」とキッパリと言ってのけたのである。
さらに「ジダンがブラジル代表の監督に就任するとしたら?」との質問にも「どうでもいい」と言い放ったル・グラエ会長。もっとも、彼はジダンの代表監督就任に「乗り気ではない」(RMC Sport)とされており、デシャンの後任にはクリストフ・ガルティエ(現パリ・サンジェルマン監督)を選ぼうとしていたと伝えられている。
とはいえ、だ。ル・グラエ会長の言動は敬意に欠けるものだと言える。ジダンは現役時代にデシャンとともにフランス代表でW杯制覇に貢献した母国のレジェンドであり、監督としてもレアル・マドリーで3度の欧州制覇を誇るカリスマ。そんな偉人を「どうでもいい」としたのである。
無論、81歳になる御大には、国内で批判が殺到している。ジダン、そしてデシャンとともに1998年の世界一を経験した元フランス代表FWクリストフ・デュガリーは『RMC Sport』で「ル・グラエ会長の言葉には驚くほかにないし、うんざりする」「彼のやり方は憎むべきものだ」と辛辣な言葉を並べれば、現地1月9日に代表引退を明言したウーゴ・ロリスは「不適切だと思った。ジダンのような国際的なレジェンドに対してならなおさらね。ああいう軽んじ方は良くない」と糾弾した。
また、事は政界でも話題となった。大のサッカー好きとして知られるエマニュエル・マクロン大統領は「私は、おそらく多くの国民がそう感じたように、フランス、そして世界のレジェンドに対して、ああいう発言がなされたことに本当に失望している」と声明を発表。辛辣な言葉とともに、ル・グラエ会長の考えを嘆いた。
国の主からも厳しい言葉を投げかけられ、“逆風”に晒されているル・グラエ会長。当人は「私の曖昧な発言が誤解を招いたことを謝罪したい」と世間に呼びかけているが、一部では退任を要求する声も強まり、その立場は後がないものになりつつある。
構成●THE DIGEST編集部
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選手として1998年のフランス・ワールドカップ(W杯)とベルギーとオランダの共催となった2000年のEUROの両方を制したデシャンは、監督としても世界一のタイトル(2018年)を獲得。先のカタールW杯でも優勝こそ逃したが、史上3か国目の連覇にあと一歩と迫る準優勝と好成績を収めていた。ゆえに全うすれば14年間という異例の長期政権となる契約延長は、FFFからの絶大な信頼の証と言えよう。
無論、FFFの“御大”も54歳の指揮官への惜しみない賛辞を贈る。ノエル・ル・グラエ会長は日刊紙『Le Figaro』に対し、「彼が仕事を続ける限り、違う誰かのドアをノックする必要はない」と主張していた。
そうしたなかで、他でもないル・グラエ会長の辛辣な一言が波紋を呼んでいる。フランスの衛星放送『RMC Sport』の取材に応じた際に、デシャンの後任候補の一角と目されていたジネディーヌ・ジダンについて問われ、「ジダンが私と連絡を取ろうとしていたことなどないし、そうだとしても、私が受話器を取ることはなかっただろう。我々は、デシャンと別れることを考えたことなどない」とキッパリと言ってのけたのである。
さらに「ジダンがブラジル代表の監督に就任するとしたら?」との質問にも「どうでもいい」と言い放ったル・グラエ会長。もっとも、彼はジダンの代表監督就任に「乗り気ではない」(RMC Sport)とされており、デシャンの後任にはクリストフ・ガルティエ(現パリ・サンジェルマン監督)を選ぼうとしていたと伝えられている。
とはいえ、だ。ル・グラエ会長の言動は敬意に欠けるものだと言える。ジダンは現役時代にデシャンとともにフランス代表でW杯制覇に貢献した母国のレジェンドであり、監督としてもレアル・マドリーで3度の欧州制覇を誇るカリスマ。そんな偉人を「どうでもいい」としたのである。
無論、81歳になる御大には、国内で批判が殺到している。ジダン、そしてデシャンとともに1998年の世界一を経験した元フランス代表FWクリストフ・デュガリーは『RMC Sport』で「ル・グラエ会長の言葉には驚くほかにないし、うんざりする」「彼のやり方は憎むべきものだ」と辛辣な言葉を並べれば、現地1月9日に代表引退を明言したウーゴ・ロリスは「不適切だと思った。ジダンのような国際的なレジェンドに対してならなおさらね。ああいう軽んじ方は良くない」と糾弾した。
また、事は政界でも話題となった。大のサッカー好きとして知られるエマニュエル・マクロン大統領は「私は、おそらく多くの国民がそう感じたように、フランス、そして世界のレジェンドに対して、ああいう発言がなされたことに本当に失望している」と声明を発表。辛辣な言葉とともに、ル・グラエ会長の考えを嘆いた。
国の主からも厳しい言葉を投げかけられ、“逆風”に晒されているル・グラエ会長。当人は「私の曖昧な発言が誤解を招いたことを謝罪したい」と世間に呼びかけているが、一部では退任を要求する声も強まり、その立場は後がないものになりつつある。
構成●THE DIGEST編集部
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