現地１月29日、FAカップ４回戦が行なわれ、昨季王者のリバプールがブライトンに１-２で敗れた。

　試合の趨勢を定めた日本代表MF三笘薫による後半アディショナルタイムのゴールは、敵エリア内で、相手DFを冷静にかわすワンタッチから生まれたゴラッソであり、英国メディアを大いに賑わしている。

　無論、サッカーの母国で眩い活躍を発揮し続けている25歳の日本人に熱視線を送っているのは、地元メディアだけではない。

　翌日には、英スポーツ専門局『Sky Sports』が、プレミアリーグで暫定６位につけるブライトンの躍進の原動力となっている日本人ウインガーを特集した記事を配信。同メディアのアダム・ベイト記者は、昨シーズンまで三笘が所属したベルギーリーグのユニオン・サン＝ジロワーズのチームメイトである、英国人のクリスチャン・バージェスにインタビューした。

　記事のなかで、バージェスは三笘の印象について「最初のトレーニングの出来事を鮮明に覚えている」と語る。

　バージェスは「最初の数歩がとても速くて、DFヨナス・バガー（現在はシャルルロワSC）が倒されたほどだ。私ともう一人のデンマーク人、カスパー・ニールセン（現在はクラブ・ブルッヘ）は、ただヨナスを笑っていた。ミトマは、3回ほど彼を簡単に追い抜いていった」と当時から三笘のドリブルは突出していたと証言。「ヨナスは次にカオルを倒しただけで、それしか彼を止める方法がなかったんだ」とチームメイトも舌を巻くほどのスピードだったという。
  　加えてバージェスは「彼はとても優秀だった」とし、「技術的な能力もあるし、身体的な特徴もある。彼はボールに対する冷静さも持ち併せており、そのためトランジションができる傑出した選手だった」と高い評価を下す。

　さらにバージェスは、三笘の得点能力についても最大級の賛辞を送る。「トレーニングでも試合でも、ミトマはファーコーナーで平然とシュートを決めるんだ。彼はボールを持つ時間がとても長いから不思議だ」と語ると、「まるで彼はティエリ・アンリのようなフィニッシュをする」と評すほど、三笘をプレミアリーグ最多４度の得点王に輝いたストライカーに例えた。

　プレミアリーグに戻り進化を続ける日本人について、かっての同僚は「勝負師のような姿勢に、ボールに対するクオリティが加われば、もっと特別な選手になれる」と注文も忘れなかったが、32歳の英国人は三笘に大きな期待を寄せたエールを送っている。

「ミトマがワールドカップでプレーしているのを見ることができたのは、まるでケーキの上の飾りのようだった。彼と一緒にプレーできたことを誇りに思う。彼にはエゴがなかったし、ブライトンで活躍しているのを見るのは本当に嬉しい。ミトマはまだ若いので、これから成長していくだろう。彼はもうトッププレーヤーだよ」

　25歳のサムライの活躍には、ベルギーリーグで苦楽を共にしたチームメイトからも喝采が送られている。

構成●THE DIGEST編集部

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