日本代表MFの躍動は“サッカーの本場”を熱狂させた。

　日本を含めた多くのメディアでもクローズアップされたのは、現地１月29日に行なわれたリバプールとのFAカップ４回戦で、値千金の逆転弾を決めたブライトンの三笘薫のパフォーマンスだ。

　興味深いマッチアップだった。４-４-２の左サイドハーフに抜擢された三笘は、対峙したイングランド代表SBトレント・アレクサンダー＝アーノルドを翻弄。後半アディショナルタイム２分に決めた鮮やかなトラップからのゴラッソを含めて、終始異彩を放ち続けた。

　試合後、英公共放送『BBC』のフラッシュインタビューに「大変だった」と漏らしたリバプールのユルゲン・クロップ監督は「左サイドのロブ（アンドリュー・ロバートソン）はサポートできたので大丈夫だったが、逆サイドのトレントはサポートを受けられなかった」と回想。59分にアレクサンダー＝アーノルドを交代させた意図を暗に示した。
  　絶対的レギュラーであるアレクサンダー＝アーノルドも交代させざるを得ない――。55歳のドイツ人監督にそんな決断をさせた三笘には、英メディアから賛辞が集まり続けている。スポーツポータルサイト『Sportbible』は、24歳の若手SBが交代後に見せた不満げな表情について「感情は隠し切れなかった。彼は激怒していた」と指摘。そのうえで、苛立ちの原因が三笘であるとした。

「アレクサンダー＝アーノルドも含めて、リバプールは選手交代でテコ入れを図った。だがしかし、ブライトンで止められないほどに絶好調だったカオル・ミトマに最後の最後で罰せられることになった。日本人アタッカーは、ペナルティーエリア内で素晴らしい落ち着きを見せ、ボールをネットに突き刺し、リバプールをFAカップから追い出すことに成功した」

　元々、アレクサンダー＝アーノルドは守備に定評があるわけではない。しかし、大半の時間帯で後手に回され、交代も余儀なくされたのは、彼にとって大きな屈辱だっただろう。

構成●THE DIGEST編集部

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