「彼らが何らかの罪に問われた時、私は『それについて教えてくれ』と尋ねる。そしたら彼らは私に真実を説明し、私はそれを信じるだけだ。もし嘘をついたりしたら、その翌日にはここにいない。もしも、違うことがあれば、ここを出て行くし、もう友人ではいられない」

　これは昨年５月にマンチェスター・シティが不正会計疑惑をかけられた際、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラが英紙『Guardian』の取材で口にした言葉だ。さらに「私は100％クラブを信頼している。だからクラブを守る」とも語っていたのだが、一連のコメントが再びクローズアップされている。

　現地時間２月６日、プレミアリーグはマンチェスター・シティの「規則違反」について声明を発表。2009－10シーズンから2017－18シーズンにかけての「クラブの財務状況について、真実かつ公正な見解を与える正確な財務情報を提供する規則」の違反をはじめとする複数の疑いでシティを委員会に付託したとした。

　2008年に「アブダビ・ユナイテッドグループ」によって買収されて以来、６度のプレミアリーグ制覇を果たすなど、クラブとして飛躍的な成長を遂げてきたシティ。そんな名門の一大事だけに、欧州サッカー界全体に衝撃が走った。
  　もっともシティ側は、「当クラブの立場を支持する反論の余地のない包括的な証拠を公平に検討するために、独立した委員会がこの問題を検討することを歓迎する」と徹底抗戦の構えを見せており、問題が長期化する可能性も小さくはない。

　では、シティはこの先にどうなってしまうのか。英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』は、「マンチェスター・シティは完全に不意を突かれている。彼らが問題解決のために動くのは間違いないが、すべての疑惑が晴れるのにどれほどの期間を必要とするかは、神のみぞ知るというところさ」と指摘。そのうえで、将来的に行使される可能性がある処分について論じている。

「勝点の減点、補強禁止、支出制限、問題となった期間中のタイトルの剥奪。最悪の場合はプレミアリーグからの降格の可能性もあるだろう。そうなれば、グアルディオラの地位も揺らぎ始める。もしも、降格処分が下された場合にはスペイン人指揮官は間違いなくクラブを去る。彼がそこからプレミアリーグタイトルを再び手にするまでの長旅に出ようと考えるとは思えない」

　まさに風雲急を告げるなか、マンチェスターの名門はどうなっていくのか。今後の動向から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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