Jリーグ・国内

Jリーグの原博実副理事長が「日程くん」とご対面!? 最終節の優勝決定戦を演出した陰の立役者の正体とは?

サッカーダイジェストWeb編集部

2019.12.06

33節で川崎との神奈川ダービーを制した横浜(写真)とFC東京が、最終節で優勝を懸けて激突。状況は横浜優位だが、まさに“神懸かり”的なマッチメイクに。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグの原博実副理事長がMCとして出演する「JリーグTV」の最新コンテンツが12月5日、JリーグのYouTube公式チャンネルで公開された。

 毎回ゲストを招いて対談形式で進める番組だが、今回はなんと毎年Jリーグの対戦カードを作成する「日程くん」がゲストとして招かれた。さて、その実体はというと……。紹介されて登場したのは、タワー型のデスクトップパソコン。シーズンカレンダーの担当で「日程くん」の親友と紹介された"げんさん"とともに出演した。

 げんさんによれば、「日程くん」とは、「Jリーグマッチスケジューラー」と呼ばれるソフトだという。このソフトにげんさんが、クラブ間の公平さや各クラブが考慮してほしい事情など、様々な条件を入力して対戦カードを作成していく。

 例えば、公平性という面では、「基本的に開幕戦でホームゲームをやったクラブは、最終節はアウェー。興行的な観点も含めた公平性ということですね」とげんさん。原副理事長も「そういえば俺も監督をやっていた時はそうだったなと思った」と監督時代を思い返していた。これに関しては、開幕戦がアウェーの場合は、最終節は必ずホームになるという。

 今季はラグビー・ワールドカップの開催に伴い、ホームスタジアムが会場となったFC東京は8連続アウェーという日程を余儀なくされたが、原副理事長は「今年はラグビーのワールドカップ、来年はオリンピックがある。そういう考慮もいれなきゃいけない。だんだん難易度が上がっていて、けっこう賢くなっていると思う」と語り、日程くんの性能アップを予測する。

 また、ACLについては「良いコンディションで臨んでもらうために、ACL開催の前の週末の試合は、該当クラブが基本的にホームになるようにしています」(げんさん)と配慮があることを明言。これに関しては、原副理事長も「ここのところ3年連続でファイナルに行っているのは、そういう事情を当該クラブだけじゃなく、相手クラブも認めてJ1全体でサポートしている(のが大きい)」と言う。

 そして、気になる来シーズンのスケジュールについてだが、これは来季のACL出場クラブの決定を待って決められるという。げんさんによれば、ACL出場クラブが決まり条件を入力したのちに、「だいたい5日から1週間くらいで」決められるという。「ファンの皆さんも早く来年の日程を知りたいと思うので、そのくらいの期間でやっています」と答えている。

 それにしても今季の最終節は、横浜F・マリノス対FC東京による優勝決定戦という、順位を予知していたかのような注目の一戦に。J1参入プレーオフ出場枠の争いでも直接対決のカードが組まれ、まさに「日程くん」がクライマックスの盛り上げにひと役買ったわけだが、げんさんは「そうした試合を直接決めているわけじゃないんです。いろんな事情を勘案していくと、結果こうなった。日程くんは何が面白いか分からないので」と説明する。

 原副理事長も「凄いよ。もっと評価されていい」と、その能力の高さを絶賛。「ちゃんとご飯たべさせてあげて」との要望には、げんさんも苦笑いだった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部