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「ソシエダをステップボードに」ワールドクラスへと上り詰めたグリーズマン。偉大な“10年前の功労者”に久保建英は続けるか?「ポテンシャルは十分にある」

THE DIGEST編集部

2023.06.08

久保はグリーズマン(右)と同じ道を歩めるか。(C)Getty Images

久保はグリーズマン(右)と同じ道を歩めるか。(C)Getty Images

 チャンピオンズリーグ出場権獲得に沸くレアル・ソシエダ。この10年ぶりの快挙に加入1年目の久保建英が大きな貢献を果たしたのは、紛れもない事実だ。

 21歳で開幕を迎えた2022-2023シーズン、レアル・マドリーへの退路を断ち、完全移籍で加入した日本人アタッカーは、キャリアハイの9ゴールを奪取。アシストも4つ記録し、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)選出回数がリーグトップの9回を数えるほどの大活躍を見せた。

 ソシエダが最後にCL出場権を勝ち取った10年前のチームにも、今シーズンの久保のように華々しくブレイクを遂げた若手アタッカーがいた。

 トップチーム昇格3年目で、当時21歳のアントワーヌ・グリーズマンだ。デビュー当時はチャンスメイクに優れたウイングプレーヤーとして活躍したが、この2012-2013シーズンは「10番」的な役割も担い、34試合に出場して10ゴール・5アシストを記録。キャリア初の二桁得点を達成し、チームの4位躍進に寄与した。

 グリーズマンはソシエダにCL出場権をもたらした後、決定力にさらに磨きをかけ、FWでプレーする機会が増えた翌シーズンは、ゴール数が16にアップ。そしてシーズン終了後の2014年夏、アトレティコ・マドリーへ移籍し、押しも押されもしないワールドクラスへと上り詰めた。
 
 いずれもレフティーで技巧派のアタッカー、前線の複数のポジションをこなすなど、久保とグリーズマンには共通点が少なくない。フィジカル面に目を向けても、ともに小柄ではあるが身体能力は高く、それはプレスに奔走し、ボールを奪われれば爆発的なスプリントで背走する守備面にも活かされている。

 現在の久保はどちらかというと、よりドリブラーとしてのキャラクターが強い。実際、インスピレーションに満ち溢れていた今シーズン終盤、イマノル・アルグアシル監督は久保を右サイドに張らせて、1対1の突破力に賭けることを念頭に置いたゲームプランを構築した。

 そんな久保がソシエダ時代のグリーズマンに見劣りするのは、やはりゴール前での決定力だろう。当時から冷静なフィニッシュワークを見せていたグリーズマンに対し、終盤に得点ペースを上げたとはいえ、久保はまだその点で向上の余地がある。

 バスク地方の一般紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』でソシエダ番を務めるミケル・レカルデ記者は、「現地ではとくに2人を比較する声は上がっていないが……」と前置きしたうえで、こう明言する。

「グリーズマンはソシエダをステップボードにしてワールドクラスの選手へと飛躍を遂げた。フィニッシュの精度をさらに高められれば、久保の価値はぐっと高まるだろう。ポテンシャルは十分にある」

 得点力がさらに高まり、自身初参戦となるCLの舞台でも結果を残せれば、10年前のグリーズマン同様、久保の前にもビッグクラブへの道が開けるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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