海外サッカー

インテルの注目点はエースのラウタロと新加入テュラムの2トップ。パリSG相手に試合をコントロールできるかも日本ツアーの見どころ

片野道郎

2023.07.25

インテルの攻撃陣を牽引するのはエースのラウタロ。(C)Getty Images

 昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で準優勝したセリエAの強豪インテルが、7月24日に来日した。

 「インテル・ジャパン・ツアー」と銘打たれたこのプレシーズン遠征では、7月27日に大阪のヤンマー・スタジアム長居でクリスティアーノ・ロナウドを擁するサウジアラビアのアル・ナスルと対戦。8月1日には東京の新国立競技場でネイマール、ジャンルイジ・ドンナルンマらを擁するパリ・サンジェルマンとのフレンドリーマッチが組まれている。

【動画】大阪で行なわれたインテルの練習をチェック!

 イタリア北部に位置する欧州有数のサッカー都市ミラノに本拠地を置くインテル(正式名称はFCインテルナツィオナーレ・ミラノ)は、同じ都市のライバルACミラン、トリノに本拠地を置くユベントスと並んで「ビッグ3」と称される名門クラブ。イタリア語で「インターナショナル(国際的)」を意味する「インテルナツィオナーレ」のクラブ名は、1908年に外国人選手の所属を望んだメンバーたちによって、母体であるACミランから分離独立した設立の経緯を反映するものだ。

 その後、ミラノのスタジアム名にその名を残す偉大なストライカー、ジュゼッペ・メアッツァを擁した1930年代、「グランデ・インテル」と呼ばれ欧州チャンピオンズカップ優勝2回とスクデット(リーグ優勝)3回を勝ち取った1960年代の二度の黄金時代を含め、現在まで100年以上の長きにわたって常にイタリア屈指の強豪クラブとしての地位を保ち続けている。実際にインテルは、1929年のセリエA発足以来、セリエB(2部リーグ)降格を一度も経験していない唯一のクラブだ。
 
 近年は、ジョゼ・モウリーニョ監督に率いられて2009-10シーズンに勝ち取った「トリプレッタ」(スクデット、コッパ・イタリア、CLの三冠)を頂点とする、2000年代後半のスクデット5連覇を成し遂げたマッシモ・モラッティ会長の時代(1995~2016年)を経て、2016年からは中国で大手家電量販店などを経営する『蘇寧グループ』がクラブを運営している。

 その蘇寧グループの下、2年前の20-21シーズンにアントニオ・コンテ監督に率いられて12年ぶりのスクデットを獲得。21-22シーズンからチームを率いるシモーネ・インザーギ監督は、2シーズン連続でコッパ・イタリアとイタリア・スーパーカップを制し、昨シーズンは冒頭で見た通りチャンピオンズリーグで準優勝をもたらすなど、インテルは高レベルの競争力を常に保ってきた。

 インテルの基本システムは3-5-2。後方からのスムーズなパスワークで相手のプレッシングをかわして前進し、背番号10を背負うアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネス、タイミングのいい攻め上がりを武器とするイタリア代表MFニコロ・バレッラらが高い技術でフィニッシュに絡んで行く攻撃、そして5バックで中央とサイドにしっかり蓋をして相手に危険なゾーンへの進入を許さない堅固な守備が特徴だ。
 
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チームとしての注目点と新チームのキープレーヤーは