女子ワールドカップでグループステージを３連勝で突破した「なでしこジャパン」に対する世界からの評価は大きく高まっている。

　ザンビアを５-０、コスタリアを２-０で下したことに大きな驚きはなかったが、首位の座を懸けたスペインとの最終戦、それまでと異なる守備的な戦法が見事に奏功し、効率の良い攻撃から４-０の大差をつけたことで、チームとしての成熟ぶりを示した日本は有力な優勝候補のひとつとなった。
  　アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「刺激的な、そして容赦なく効率的な序盤戦で、日本は相手のペナルティーエリア内における３回目のボールタッチで先制ゴールを奪い、40分にはリードを３点に広げた。日本同様、スペインも勝つためにピッチに立ったが、彼女たちはポゼッションやクオリティーの高さにもかかわらず、よく組織され、規律を持った相手を打ち破る方法を全く見つけられなかった」と報じ、さらに以下のように続けている。

「一見すると、反撃から得た“スマッシュ＆グラブ”の勝利として片付けるのは簡単かもしれないが、そんなものではなく、なでしこは意図を持って几帳面に勝利を収めた。池田太監督の功績は、称賛されるべきだろう。日本も同じようにボールを持ち続けるスタイルであるのは周知の事実だが、より貪欲なポゼッション・スタイルがDNAの一部となっているスペイン相手に、それが難しそうであると見て、池田監督は賢明な選択をした」

「たとえ、彼が選んだ戦術がやや保守的だったとしても、日本チームにとって、それが自分たちの攻撃意図を示す上で何の妨げにもならないことを示した。スペインとの対戦は、彼女たちにとってこれまでで最大の試練だったが、見事に乗り越えた。ラウンド・オブ16のノルウェー戦からは、彼女たちにとって（相手ではなく）自分自身がハードルになると、多くの者が見ている」

　チーム力の高さ、戦術への対応力に加え、同メディアは戦力の豊富さにも言及し、「池田が存分に使える選手層の厚さは、今大会の真の優勝候補者として台頭しつつある日本にとっては良い兆しだ」と綴っており、なでしこジャパンがW杯の主役のひとつであることを強調する。