サッカー女子ワールドカップでベスト8敗退に終わったなでしこジャパンだが、その戦いぶりにはいまも多方面から称賛の声が寄せられている。
スペインメディアが特に評価しているのは、その硬軟自在のサッカースタイルだ。0-4で完敗し、なでしこの軍門に降ったスペインのホルヘ・ビルダ監督は試合後、「代表の監督に就任してからこれほどの負けを経験したことはない」とショックの色を隠さなかったという。
スペイン紙『エル・パイス』が着目したのが、タイトなディフェンスでスペースとパスコースを消し、一気に攻撃へ転じるカウンターだ。「なんていう切れ味の鋭さだろう! 超音速の疾走でスペインをズタズタに切り裂いた」と褒め称えた。
いうまでもなくスペインは、ショートパスを繋ぐスタイルで男子代表が世界を席巻した国だ。堅守速攻スタイルに対しては、潜在的に拒絶反応を示す傾向がある。『AS』紙の前編集長アルフレッド・レラーニョ氏は、「個人的にはイニシアチブを握ろうと試みたスペインのサッカースタイルのほうが好きだ」と私見を述べながらも、「日本は、何が、どのように、どこでできるかを知っていた。スペインのボール回しが乱れるのを辛抱強く待ち、猛烈なスピードで攻め上がり、効果的にゴールを決めた」と、選手の相互理解に基づいたなでしこジャパンの組織力を、勝敗を分けた要素に挙げている。
なでしこジャパンが堅守速攻に特化したチームではないことを実証したのが、次のノルウェー戦だった。
「スペイン戦からガラリとプレーの色を変え、ボール支配率を高めるスタイルのサッカーを、これまでにない形で示した。牙の鋭さに欠けるノルウェーは日本の”ティキタカ”の前に屈している。チーム一丸となって素晴らしいサッカーを見せる日本に対し、ノルウェーは特定の選手の輝きに依存するしかなかった」と報じたのは『AS』紙だ。
同紙は日本の質の高いポゼッションサッカーを高く評価。その一方で、「その切れ味の鋭さについてはスペインの選手に聞けばいい。ノルウェーもイケダ(監督の池田太)流の薬を味わわされた」と、スペインも苦しめられたカウンターの威力に改めて舌を巻いた。
敗北を喫したスウェーデン戦の戦いぶりについても、決してネガティブな論調ではなかった。『エル・パイス』紙は以下のように分析している。
「後半は選手交代が功を奏し、日本が攻勢に転じた。ウエキ(植木理子)のクロスバーに直撃したPKも反撃ムードに水を差すことはなく、その諦めない姿勢が報われたのが、87分のハヤシ(林穂之香)のゴールだった。しかし、後半防戦一方だった中でもスウェーデンは、嵐を乗り切る老練さを見せ、そのまま試合終了のホイッスルを迎えた」
そして「日本は試合の入りの悪さの代償を支払わされた。その結果スペインは、より実力が劣るほうの国(スウェーデン)と準決勝で顔を合わせることになった」と締めくくっている。
文●下村正幸
【動画】ベスト8進出を決定づける宮澤ひなたのゴール!
【関連記事】「なんて素晴らしい瞬間なんだ!」なでしこJ主将・熊谷紗希とノルウェー代表FWの胸熱抱擁が賞嘆の嵐!FIFA公式も称賛「何があっても友達」
【関連記事】「信じられないほど情けなく間抜け」「すべて台無し」英国女子FWの愚行に非難止まず!米放送局は残りの決勝T欠場を言及【女子W杯】
スペインメディアが特に評価しているのは、その硬軟自在のサッカースタイルだ。0-4で完敗し、なでしこの軍門に降ったスペインのホルヘ・ビルダ監督は試合後、「代表の監督に就任してからこれほどの負けを経験したことはない」とショックの色を隠さなかったという。
スペイン紙『エル・パイス』が着目したのが、タイトなディフェンスでスペースとパスコースを消し、一気に攻撃へ転じるカウンターだ。「なんていう切れ味の鋭さだろう! 超音速の疾走でスペインをズタズタに切り裂いた」と褒め称えた。
いうまでもなくスペインは、ショートパスを繋ぐスタイルで男子代表が世界を席巻した国だ。堅守速攻スタイルに対しては、潜在的に拒絶反応を示す傾向がある。『AS』紙の前編集長アルフレッド・レラーニョ氏は、「個人的にはイニシアチブを握ろうと試みたスペインのサッカースタイルのほうが好きだ」と私見を述べながらも、「日本は、何が、どのように、どこでできるかを知っていた。スペインのボール回しが乱れるのを辛抱強く待ち、猛烈なスピードで攻め上がり、効果的にゴールを決めた」と、選手の相互理解に基づいたなでしこジャパンの組織力を、勝敗を分けた要素に挙げている。
なでしこジャパンが堅守速攻に特化したチームではないことを実証したのが、次のノルウェー戦だった。
「スペイン戦からガラリとプレーの色を変え、ボール支配率を高めるスタイルのサッカーを、これまでにない形で示した。牙の鋭さに欠けるノルウェーは日本の”ティキタカ”の前に屈している。チーム一丸となって素晴らしいサッカーを見せる日本に対し、ノルウェーは特定の選手の輝きに依存するしかなかった」と報じたのは『AS』紙だ。
同紙は日本の質の高いポゼッションサッカーを高く評価。その一方で、「その切れ味の鋭さについてはスペインの選手に聞けばいい。ノルウェーもイケダ(監督の池田太)流の薬を味わわされた」と、スペインも苦しめられたカウンターの威力に改めて舌を巻いた。
敗北を喫したスウェーデン戦の戦いぶりについても、決してネガティブな論調ではなかった。『エル・パイス』紙は以下のように分析している。
「後半は選手交代が功を奏し、日本が攻勢に転じた。ウエキ(植木理子)のクロスバーに直撃したPKも反撃ムードに水を差すことはなく、その諦めない姿勢が報われたのが、87分のハヤシ(林穂之香)のゴールだった。しかし、後半防戦一方だった中でもスウェーデンは、嵐を乗り切る老練さを見せ、そのまま試合終了のホイッスルを迎えた」
そして「日本は試合の入りの悪さの代償を支払わされた。その結果スペインは、より実力が劣るほうの国(スウェーデン)と準決勝で顔を合わせることになった」と締めくくっている。
文●下村正幸
【動画】ベスト8進出を決定づける宮澤ひなたのゴール!
【関連記事】「なんて素晴らしい瞬間なんだ!」なでしこJ主将・熊谷紗希とノルウェー代表FWの胸熱抱擁が賞嘆の嵐!FIFA公式も称賛「何があっても友達」
【関連記事】「信じられないほど情けなく間抜け」「すべて台無し」英国女子FWの愚行に非難止まず!米放送局は残りの決勝T欠場を言及【女子W杯】