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海外サッカー

「最後のロマンティストのひとり」32歳アザールの早すぎる現役引退を各国メディアが惜しむ。ブラジル・メディアは過去の「早期引退」レジェンドに再脚光

THE DIGEST編集部

2023.10.12

32歳の若さで現役引退を表明したアザール。(C)Getty Images

32歳の若さで現役引退を表明したアザール。(C)Getty Images

 10月10日、元ベルギー代表MFで、今夏にレアル・マドリーとの契約を解除してフリーとなっていたエデン・アザールが、自身のSNSで現役引退を発表した。

「自分自身の声に耳を傾け、適切なタイミングで辞めるということが重要だ。16年間のキャリアにおいて700試合以上に出場した後、私はプロサッカー選手としてのキャリアに終止符を打つことを決断した。私は自身の夢を叶えることができ、欧州や世界中のピッチでプレーし、楽しむことができた。キャリアにおいて、経営者、コーチ、チームメイトら素晴らしい人たちに出会えた」

「これまで所属したクラブ、リール、チェルシー、マドリー、そしてベルギー代表には特に感謝したい。家族、友人、アドバイザー、そして良い時も悪い時も、私のそばにいてくれた人々にも特別な感謝の意を表する。最後に、これまでプレーしてきた国々で、私を長きにわたって応援してくれたファンには、心から感謝している。これからは、大切な人たちと新しい経験を楽しむ時だ。ピッチの外でまた会おう」
 
 1991年1月7日にベルギーのラ・ルビエールでサッカー選手の両親の下に生まれたアザールは、14歳でフランスのリールの下部組織に加入し、2007年にプロデビュー。2008-09シーズンにベルギー人選手として初めてリーグ・アンの最優秀若手選手賞を受賞したことでその名を広く知られるようになり、多くのビッグクラブが関心を示す中で、2012年夏に3200万ポンド(約59億円)で、当時欧州王者に昇り詰めたばかりのチェルシーに移籍した。

 ここでの7シーズンで、プレミアリーグ2回、FAカップ1回、リーグカップ1回、ヨーロッパカップ2回といったタイトル獲得に貢献。スターとしての地位を確立した彼は、ベルギー代表としても背番号10を背負い、2015年にはFIFAランキングで1位にも躍り出たタレント集団「赤い悪魔」の象徴的な存在として、ロシア・ワールドカップでは3位入賞と輝かしい実績を築き上げた。

 そして、2019年にはマドリーに加入。前年にユベントス入りしたクリスチアーノ・ロナウドに代わる新たなエースとして期待され、1億1500万ユーロ(約182億円)といわれる移籍金も当時28歳のMFには相応しいものと見られていた。しかし、同年11月に実施されたチャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン戦で右足首に重傷を負うなど、マドリード滞在中に計18回も怪我を負い、4シーズンでCL1回、ラ・リーガ2回を含む6つのタイトルを獲得したものの、自身は公式戦76試合出場(7得点)に止まることとなった。
 
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