海外サッカー

マンUやトッテナムが88億円を用意。ポルトガル人記者イチ押し!ブルーノ・フェルナンデスの凄さとは?

ペドロ・ゴンサウベス

2019.12.19

1月の移籍マーケットで再びマンチェスター・Uが獲得に動くと噂されるブルーノ・フェルナンデス。MFながら得点力はFW級だ。(C)Getty Images

 ブルーノ・フェルナンデスほどの選手が、まだポルトガル・リーガでプレーしているのか――。同胞の我々でさえ、そう思う。
 
 今夏はマンチェスター・ユナイテッドやトッテナムが6000万ユーロ(75億円)の移籍金を用意して獲得に乗り出した。しかし、金銭面で折り合いがつかず交渉は決裂。スポルティング側の要求額は、7000万ユーロ(約87億5000万円)だったとも伝えられる。

 ビッグクラブを引き付けているのは、昨シーズンに全公式戦で32得点を挙げ、MFとしての欧州記録を樹立した破格の得点力だ。つねにゴールを見据え、時間とスペース、コースを見出せば、距離があってもパワフルかつ技巧的な右足で迷わず狙う。そして、その多くが枠を捉えるのだ。

 高いキック技術はパスにも活かされ、組み立てだけでなく、崩しの局面では危険なスルーパスやクロスで味方のゴールをお膳立て。昨シーズンはカップ戦を含め18アシストを記録した。もちろん、プレースキックもお手の物だ。
 
 腕章を巻く25歳のリーダーは、チーム内でもっとも影響力が強く、プレーには責任感が増してきた。守備時のポジショニングに狂いはなく、しばしば敵の攻撃を分断。ドリブルやタッチは熟達し、中盤ならどこでも高次元に対応する。カードの多さは玉に瑕ながら、それは裏を返せば熱いハートを持つ証だ。

 そのプレーをリーグNOS(ポルトガル・リーグ)で見られるのは、おそらく今シーズンが最後だろう。貴重な時間を堪能したい。

BRUNO FERNANDES
ブルーノ・フェルナンデス(MF/スポルティング)
■生年月日:1994年9月8日(25歳)
■身長・体重:179㎝・69kg
■国籍または代表:ポルトガル代表

●文/ペデロ・ゴンサウベス
●翻訳/井川洋一
※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年11月21日号より加筆・修正