現地時間11月21日に行なわれた2026年ワールドカップのアジア２次予選で、日本代表はシリア代表を５-０で下し、連勝スタートを切った。

　中立地サウジアラビア・ジェッダでの一戦は、32分に久保建英の左足ミドルでゴールラッシュの幕を開け、37分、40分と伊東純也のアシストから上田綺世がゴール前で合わせて加点。後半も攻勢は続き、47分にFKから菅原由勢がゴール右隅に突き刺し、82分には交代出場の細谷真大が、伊東のこの試合４つ目のアシストを受けて冷静に決めた。

【動画】久保建英の‟演技”が利いた！ 菅原由勢の代表初ゴールとなるFK弾 　この結果を受け、FIFA（国際サッカー連盟）は「日本は、グループBでほぼ無敵のように見える。ジェッダでは圧倒的なスコアで勝利。同グループのライバルたちにとって、２位争いが最も現実的な目標のようだ」、AFC（アジア・サッカー連盟）は、「日本がシリア相手に５-０の見事な勝利。上田は完璧なスタートを切った日本のために、ミャンマー戦のハットトリックに加え、プリンス・アブドゥラ・アル・ファイサル・スタジアムで２ゴールを決めた」と、それぞれ公式サイトで伝えている。

　試合前には「サッカーに不可能はない」と強気の姿勢を崩さなかった実績十分のアルゼンチン人監督エクトル・クーペルに率いられたシリアだが、政情不安によってホームで試合を開催できないという大きなハンデもあり、現体制となって初の大敗。これに対し、バース党機関紙の『Al-Ba’ath』は「深刻な敗戦」として「シリアは日本に何の危険も及ぼすことができず、この数年で最悪の試合を見せた」と酷評、自国サッカー界のシステム自体への批判も展開した。

　一方、同国の日刊紙『Al-Watan』は「日本がシリアのサッカーを暴いた」と報じ、「シリアのプレーには、味も色も香りもなく、日本のクリーンシートを手助け。日本はまるで練習をしているようであり、悲しむべき結果だ」「クーペル監督は酷く無力であり、５点を失っての敗戦で、彼のイメージは大きく損なわれた」と綴っている。

　中東各国の報道では、試合開催地となったサウジの日刊紙『Asharq Al-Awsat』が「日本は残酷にシリアから５ゴールを奪った」、エジプトの『Al-Osboa』紙は「シリアは予選で日本に５点差で敗れた悔しさを飲み込んだ」、そしてUAEの『Al-Ain』紙は「日本がシリアを５ゴールで脅かした」と、それぞれが見出しを打った。