昨季、レアル・マドリーからレアル・ソシエダに完全移籍を果たして以降、久保建英は上昇気流に乗り続けている。

　2022-23シーズンは加入時こそ、過去３年間のレンタル生活で真価を発揮できずに終わっていたこともあり懐疑的な見方もされたが、さほど時間をかけずして主力の座を確保すると、最終的にキャリアハイの公式戦44試合出場・９得点６アシストを記録。そしてバスクのクラブでの２年目も、右サイドで不可欠な存在となり、出場した多くの試合で「マン・オブ・ザ・マッチ」を受賞し、目標だったチャンピオンズリーグ（CL）で欧州の猛者相手に輝きを放ち続けてきた。

　今季前半戦を終えて24試合出場・６得点３アシストの成績を残した22歳が、その数字以上のものを披露し、見る者に強い印象とインパクトを与えたことで、2023年が終わろうとしている現在、あらゆる形によって、その価値と評価が“爆上げ”したことが示されている。
  　まず、ドイツの移籍専門サイト『transfermarkt』の独自指標による「推定市場価格」が、5000万ユーロ（約79億円）から6000万ユーロ（約94億円）に上昇。これで日本人選手としてもソシエダの選手としても、市場価格で単独のトップとなった22歳について、同メディアは「久保は過去にもすでに、ラ・リーガでその素晴らしい資質を発揮してきたが、今季はCL、つまり最高峰の舞台でもそれを示すことができている」と称賛し、さらに以下のように続けた。

「（CLでの）グループステージ突破は、ソシエダにとって大きな成功である。イマノル・アルグアシル監督のシステムにおいて、久保は非常に重要な役割を担っている。彼のテクニックと素早い動きは、相手ディフェンスにとって信じられないほど難しい。代表チームでの好パフォーマンスも、久保の飛躍を示す。まだ22歳と若く、さらなる成長の可能性がある」

　ソシエダにおける契約解除金と同額の価格を設定された久保に、さらなる箔をつけたのは、スイスを拠点とするサッカー関連調査機関の『CIES Football Observatory』が発表した「2023年の右ウイング十傑」である。この名手揃いのランキングの中で、久保は９位につけたのである。ベスト10は以下の通り。