専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
日本代表

「完璧に近い内容で圧倒した!」森保Jを撃破したイラクに中東メディア賛辞止まず! 日本に競り勝った”気迫”を鋭く指摘【アジア杯】

THE DIGEST編集部

2024.01.20

久保(左)と激しくマッチアップするイラクの選手(右)。打倒・日本への闘争心が伝わった。内写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

久保(左)と激しくマッチアップするイラクの選手(右)。打倒・日本への闘争心が伝わった。内写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 サムライブルーを打ち負かした中東の雄に喝采が注がれている。

 1月19日、サッカーのアジアカップで日本代表はイラク代表と対戦し、1対2でまさかの敗北を喫した。同じグループDのもう1試合はインドネシア代表がベトナム代表に1-0で競り勝ったため、日本の首位突破は消滅してしまった。

 日本は立ち上がりから、イラクに強烈なプレッシャーをかけられた。すると、前半5分にFWアイメン・フセインのヘディング弾で、いきなり先制点を献上してしまう。さらに、アディショナルタイムにも再びフセインに頭で決められ、2点のビハインド。予想外の展開で前半を折り返した。

 流れを変えたい日本は後半、交代カードを積極的に切って猛反撃に出たが、ゴールをこじ開けることができずに時間だけが過ぎていく。試合終了間際にMF遠藤航がコーナーキックから1点を返すのが精一杯で、無情のタイムアップ。その瞬間、イラクベンチから選手が飛び出し喜びが爆発。多くのイラク・サポーターも歓喜の声を上げた。

 メソポタミアのライオン(イラク代表の愛称)が国際Aマッチ10連勝と無敵のサムライブルーを止めた。この衝撃的事実は、母国やアラブ諸国で大きな話題となった。

 例えばイラク国内外のビジネス、エンターテイメント、スポーツなどあらゆる情報を発信している総合メディア『IraqiNews』は「イラクが日本に衝撃を与え、アジアカップでベスト16に進出!」と大々的に報じた。

 記事では「日本代表を率いるハジメ・モリヤス監督は10連勝をマークし、43ゴールを挙げてドーハでの試合に臨んだが、4万人近い観客の声援に後押しされたイラクのパワーと攻撃力にはかなわなかった」と記し、全体的にイラクが日本を圧倒していたと主張している。
 
 一方、英国のロンドンに拠点を置きながらアラブ諸国のニュースを中心に配信している『The New Arab』は「完璧に近い内容で、イラクが日本を圧倒!」と断じ、イラクの勝利を手放しで称えている。

 同メディアはイラクを率いるヘスス・カサス監督の秀逸なコメントを紹介している。同監督は、「たったの1勝だ」と前置きしたうえで、「だがイラクの人々にとって素晴らしい日になったことは間違いない」と最後まで集中力を切らさなかったチームを称賛した。

 百戦錬磨のスペイン人監督は続けて、「完璧な試合は存在しないと思う」と話した。ゆえに、「完璧な試合は不可能だが、我々は完璧に近かった」と史上最強と謳われた日本から勝利を挙げたことに誇りを感じ、D組で決勝トーナメント進出一番乗りを決めた余韻に浸った。

 最大の勝因については「イラクの選手たちは、みんなこの試合に集中していたし、準備は万端だった。この1週間、私たちはとてもハードに働いたし、自分たちの仕事に集中していたからこそ、素晴らしい試合ができたんだと思う」と述べ、万全な日本対策が功を奏したと振り返った。

 カタール開催の今大会は、近隣のアラブ諸国から大勢のファンがスタジアムに駆けつけて、まるでイラクのホームのような雰囲気を作り、選手たちに大声援を送った。パワーをもらったイラクの選手たちは一つひとつのプレーにおいて激しい闘争心を見せ、日本の選手に競り勝つと喜び、打倒・日本にかける気迫はピッチ外から伝わるほど。ゆえに、同メディアは「精神面ではイラクが一枚上だった」と指摘している記述もあった。

 手痛い黒星を喫した森保ジャパン。次戦(24日)のインドネシア戦に引き分け以上なら2位通過で決勝トーナメントに進出できるが、5度目のアジア王座を目指すチームにとっては、痛恨の1敗である。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】日本のGS突破はお預けに…イラク戦ハイライト
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号