アジアカップを戦う日本代表は、グループリーグ第２節のイラク戦で１-２の敗北を喫して首位突破の可能性が潰えたが、この試合でキャプテンの遠藤航は中盤争いでは苦戦しながらも、後半アディショナルタイムには拙攻で得点できずにいたチームにセットプレーからヘッド弾でゴールをもたらしたことは、数少ないポジティブな要素となった。

　この試合の２日後、彼が所属するリバプールはプレミアリーグ第21節でボーンマスに４-０の大勝を飾って首位をキープしたが、このアウェーマッチにおいて中盤で存在感を示し、現地メディアから最高評価を得たのがMFアレクシス・マク・アリステルだった。

　15節シェフィールド・ユナイテッド戦で重傷を負って長期欠場を強いられた後、20節のニューカッスル戦で、自身が不在の間に評価を高めていた遠藤との交代でピッチに帰還したアルゼンチン代表は、このボーンマス戦で復帰後初めてプレミアリーグでスタメンに名を連ねた。
  　リバプールの日刊紙『ECHO』は、この試合でのマク・アリステルについて「８月のボーンマス戦（２節）でのアンフィールド・デビュー戦は、物議を醸したレッドカードによって、彼にとっては悪夢となった。その後、彼には６番としての適性の話題がつきまとい、さらに怪我で欠場中には遠藤が目覚ましい活躍を見せたことで、さらに注目度は高まった。しかし、日本人選手はアジアカップに出場したことで、マク・アリステルにとってボーンマスとの再戦は、自身のチームへの影響力の増大を強調する絶好の機会だった」と綴った。

　そして、実際のパフォーマンスを「このチャンスを、彼は両手でしっかりと掴んだ。これまで、アウェーマッチでは控えめなパフォーマンスが多かったが、今回は前半から上手くパスを配球し、粘り強さ、推進力を発揮。そして、真に優れていたのは、汚れ仕事だ。今季、最多のボール奪取を果たし、最も多くデュエルに勝ち、驚くべきことに、プレミアリーグの試合で９回ものタックルを成功させ、これは過去８年間での最多記録にもなった」と、ポジティブに評している。

　また、リバプールのクラブ専門サイト『THIS IS ANFIELD』は、「時折、マク・アリステルの上手くタックルを切り抜ける技に驚かされるものだが、今回も背番号10は球際の強さと素晴らしいパスの組み合わせで、攻撃の幅を広げ、チャンスを生み出した。試合の大部分で、彼は仲間よりもひとつ上のレベルにあり、これが勝利の基盤を築く要素となった」と、絶賛した。