アジア王座奪還に向け、第一関門を突破した。

　１月24日、カタールで開催されているサッカー・アジアカップのグループステージD組の最終戦が行なわれ、日本代表はインドネシア代表と激突した。今大会初スタメンを飾ったFW上田綺世が前半開始早々にPKを決めて先制。後半も再び上田がゴールに流し込んで追加点を挙げ、３点目は相手のオウンゴールになるも日本の全得点に絡んだストライカーの活躍で3-1で快勝。通算成績を２勝１敗とした日本は２位でグループステージを突破。ベスト16進出を果たした。

　前回２失点を喫し、完敗したイラク戦から森保一監督が動いた。前線の上田をはじめ、久保建英や堂安律、冨安健洋らを先発起用。初戦のベトナム戦でゴールを決めた中村敬斗が復帰し、合計８選手を大胆に入れ替えた。

　日本は６分にペナルティエリア内でボールを受けた上田が相手DFに抱えられて倒される。このとき主審は笛を吹かなかったが、VAR判定の結果、日本のPKを指示する判定に覆した。これをオランダの強豪フェイエノールトに所属するストライカーが冷静に右隅に沈め、日本が待望の先制ゴールを奪う。

　その後も森保ジャパンは幾度もチャンスを作るも、追加点を奪い切れず、前半は日本が１点リードで折り返す。

　52分には、左サイドで抜け出した堂安からの低いクロスに再び上田が反応。ファーサイドから走り込むと、冷静に右足で押し込んで日本が２点目をゲット。88分には途中出場の伊東純也が右サイドを駆け抜けて、ゴール前にクロス。上田がボールを収めて右足でシュートすると、これが相手の足に当たるオウンゴールでネットを揺らした。

　終了間際にはロングスローからのこぼれ球をインドネシアに押し込まれて１点を返されたが、試合の主導権を最後まで握った日本。攻守で圧倒した森保ジャパンが白星を挙げ、グループE首位と相まみえる決勝トーナメント１回戦に駒を進めた。
  　グループDの戦況は、地元メディアでも熱い視線が注がれていた。カタールの日刊紙『Aljazeera』は「きらめく日本が、快勝劇を収めた！」と速報を打ち、「日本はイラク戦での敗北を背負ってこの試合に臨んだが、新体制でインドネシアに完勝した」と報道。スタメンを８人も入れ替えて勝利を手繰り寄せた森保監督の采配に驚きを隠せなかった。

　戦評を見ると、「アヤセ・ウエダが２ゴールを挙げたほか、ケイト・ナカムラとタケフサ・クボも日本の主役として輝きを放った」と高評価。

　一方、敗れたインドネシアに対しては「彼らは敗戦を受け入れ、落胆していることだろう」と記し、意地の１点を返すも、あまりにも力の差を見せつけられて完敗したチームに同情の声を寄せる。「しかし、３位以内の４チームの１つとして次のラウンドに進むチャンスはまだ十分残っている」と綴り、労いの言葉で締めた。

　なお、グループＤのもう１試合はイラクがベトナムを３-２で破り、３戦全勝で首位通過を決めた。

構成●THE DIGEST編集部

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